丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
「「「━━━━━えーーー!!鈴嶺から告ったの!!?」」」

鈴嶺「うん」
杏樹「あー確か、そう言ってたわね。鈴嶺」

「あの、鈴嶺」
鈴嶺「ん?」

「こんな言い方、ごめんね。
凱吾くんのどんなとこに惚れたの?
顔?頭良いから?運動神経抜群だから?
背が高いから?」

鈴嶺「……よく、わからない」

「わかんないの?(笑)」

鈴嶺「高校生になって、凱くんがほぼ毎日会いに来てくれてた。
朝お迎えに来てくれて、帰りも送ってくれて。
時々、寄り道とかして。
いつの間にか、一緒にいるのが当たり前になってた。
そんな時に、お友達に言われたの。
“凱くんと付き合ってるの?”って。
“ううん。お友達”って言ったら、お友達が“じゃあ、いいよね?”って言って凱くんに告白したの。
結果的にお断りされたみたいだったけど、私頭の中が真っ白になった。
“凱くんを取られたくない”って!」

「そうゆうこと!」



凱吾「━━━━━あの時の鈴嶺、今でも興奮するくらいに可愛かった!」

凱吾は、高校二年の頃を思い出していた━━━━━


凱吾『じゃあね、鈴嶺。明日また迎えに来るからね!』
鈴嶺『あ、待って!』

頭をポンポンと撫で、小さく手を振る凱吾。
鈴嶺は、その凱吾の手を両手で掴み見上げた。

凱吾『ん?鈴嶺?』
鈴嶺『お、お話があるの。
お、お家上がらない?』

凱吾『………うーん。鈴嶺の部屋はちょっと…』
(我慢できる自信ないし……)

鈴嶺『え?あ、じゃ、じゃあ…そこの公園は?』
凱吾『うん、いいよ!』

ベンチに並んで座る。
凱吾『話って何?』
鈴嶺『うん…』

鈴嶺は、震えていた。

“お断りされたらどうしよう。もう、一緒にはいられなくなるかも?”
そんな━━━━マイナスなことばかり浮かび、目も潤んでくる。

凱吾『鈴嶺?
どうした!?泣いてる?
まさか!学校でなんかあったの!?
イジメとか!?
鈴嶺は可愛いから、すぐやっかまれるもんな。
大丈夫!!僕がすぐにそんなクズを消して━━━━━』
鈴嶺『違うの!!』

凱吾の服を掴み、見上げ言った鈴嶺。

凱吾『鈴…嶺……?』

鈴嶺『私、凱くんが好き!』
凱吾『え……ほん、と…?』

鈴嶺『うん!だから、だからね!
私の━━━━━━』
言葉は続かなかった。


既に、凱吾の腕の中にいたから━━━━━━
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