丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
鈴嶺と志田が他愛ない話をしていると、宗匠と紀信がそれぞれラーメンと牛丼を持って戻ってきた。

宗匠が志田との間を一人分あけて座り、紀信は鈴嶺の隣に座った。

志田「おかえり。
おっ!やっぱ、ラーメン美味しそうだね!」
宗匠「ここのはイケるもんなぁ」

鈴嶺「紀信くんも、美味しそうだね!」
紀信「フフ…病院でも、よく牛丼食べてるからかな?
どうしても目につくんだ(笑)」

志田「温かいうちに食べなよ」
鈴嶺「どうぞ?」

宗匠「じゃあ、お先に~」
紀信「いただきます!」

そこに、凱吾と杏樹が戻ってくる。
杏樹「お待たせ~」
凱吾「鈴嶺、大丈夫だった?」

志田「ありがと」
鈴嶺「うん!」

杏樹「お水、取ってくるわ!
ん?みんな、お水ないじゃん。
━━━━━━鈴嶺、お水取りに行くの手伝って」
鈴嶺「うん!」

凱吾「は?鈴嶺を使うな」

杏樹「なんで?
じゃあ、凱吾が手伝って」

凱吾「わかった」

鈴嶺「え?私が行くよ?」

凱吾「ダメ!何かあったらどうするの?」

鈴嶺「でも私も、凱くんのために取りに行きたい!」

凱吾「………」

鈴嶺「凱くん」
鈴嶺の、うるうるした瞳と上目遣い。
“凱くんのため”という言葉。

どうしても………
凱吾「……//////わかった…」
となる。

そしてフフ…と杏樹が笑い、鈴嶺に「行くわよ」と言った。


鈴嶺と杏樹が、六人分の水を取り戻ろうとすると………
杏樹「ん?何、あれ」
鈴嶺「え?え?」

女性が二人が、凱吾達に話しかけていた。

「すみません、そこあいてますか?」

凱吾「は?」
志田「あいてないよ」

絶対零度と凱吾と、恐ろしい雰囲気を醸し出す志田。

「あ…そ、そうですか……」
「す、すみません!」

紀信「ちょっと、凱吾と志田さん!
もっと、優しく━━━━━」

凱吾「は?優しく?
なぜだ?意味がわからない」
志田「優しくするのは、杏と鈴嶺ちゃんだけだよ」

宗匠「はぁー
紀信が言ってるのは、もう少し雰囲気を柔らかくしろっつうこと!
ただでさえ、こえーんだからさ!」

そんな凱吾と志田を見ながら、鈴嶺がフフ…と笑った。

杏樹「ん?鈴嶺?」

鈴嶺「やっぱ、似てる(笑)
凱くんと志田さん」

杏樹は、それを聞いて「確かに」と笑った。
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