丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
凱吾『僕の恋人になってくれるの?』
鈴嶺『うん。凱くんの恋人になりたい!』

凱吾『嬉しい!』
鈴嶺『ほんと?』
ゆっくり向き直る、二人。

凱吾『うん!僕も、鈴嶺が好きだよ!』



「━━━━━━おい、凱吾がニヤニヤしてるぞ(笑)」
宗匠「なんか、キモいな(笑)」
紀信「思い出してるみたいだね(笑)色々……」



凱吾の回想は、続く━━━━━━

凱吾(全部、僕が教えたもんなー)

その日、初めてキスをした二人。
口唇が重なって、すぐ離れた。

凱吾『鈴嶺の口唇、気持ちいい…
柔らかい…////』
鈴嶺『そうかな?』
自分の口唇に触れる。

凱吾『フフ…
ねぇ、もう一回していい?』
鈴嶺『う、うん…/////』

口唇が重なる。
深くなって、少し開いた鈴嶺の口唇の隙間から舌を入れた。

びっくりした鈴嶺が、慌てて口唇を離す。

鈴嶺『今の、何…!?』
凱吾『キス』

鈴嶺『違っ…/////なんか、舌が……』

凱吾『うん。これが、キス』

鈴嶺『そ、そうなの?』

凱吾『そうだよ』

鈴嶺『……/////』

凱吾『鈴嶺、もう一回!』

鈴嶺『も…やだ…////』

凱吾『………わかった』
鈴嶺(え?お、怒った?)

凱吾は、基本的に冷たい人間。
ほとんど、笑わない。
唯一、鈴嶺に“だけは”笑顔を見せることはあるが、それ以外はポーカーフェイスだ。

だから感情が、わからない。

鈴嶺『凱くん』
凱吾『ん?』

鈴嶺『ごめんなさい』
凱吾『どうして謝るの?』

鈴嶺『やだって言ったから、怒ったよね?』
凱吾『ううん。怒ってないよ』

鈴嶺『じゃあ、笑って?
怖い……』
凱吾『ん。大丈夫だよ。鈴嶺には、怒らない。
鈴嶺は悪くない。
ごめんね、つい…夢中になっちゃった!』

鈴嶺『ううん。私、初めてで……』
凱吾『大丈夫。
僕が全部、教えてあげるよ……!
………………
僕しか見れなくなるくらいに……ね…』



宗匠「━━━━━吾。凱吾!!」
凱吾「何!!?
今、回想を膨らましてたのに!」

宗匠「お前、キモい!!」

凱吾「は?」

紀信「鈴嶺と付き合ってた時のこと、思い出してたんでしょ?
家で回想しなよ!」

凱吾「は?みんなが、鈴嶺の話をするからだろ?
…………というより、僕の頭の中は“鈴嶺”しかない」

「でも、どんな鈴嶺を回想してたのー?」
「ニヤニヤしてたから、ヤってる時とか(笑)」

みんなが、大爆笑している。
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