丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
アミ「フフ…
わざわざ、ありがとうございました!」
タイチ「ありがとうございます!
鈴嶺ちゃんに、よろしく伝えてください!」

佐木「はい!」

杏樹「でも、どうして佐木さんが?」
宗匠「鈴なら“自分で”って言ったんじゃね?」

佐木「あ…それは、凱吾様が……」

宗匠・杏樹「あー(笑)」

タイチ・アミ「え?」


凱吾『━━━━は?今から?
ダメだよ、鈴嶺。
明日でいいでしょ?』

鈴嶺『でも、今日じゃないと意味ないよ?
お願い、凱くん!』

凱吾『ダメ。
もう遅いし、鈴嶺眠そうだし、何より風呂も入ったでしょ?
風邪でも引いたらどうするの?』

鈴嶺『………』

凱吾『………はぁ…じゃあ…佐木に頼もう』

鈴嶺『え?自分で━━━━━』
凱吾『だったら、明日にして!
どうする?』

鈴嶺『佐木に…お願いする…』

凱吾『━━━━━てことだ。
だから、お前が持っていってくれ』

佐木『かしこまりました。
それで今、お嬢様は?』

凱吾『ふてくされて、寝た』
しかし、凱吾の後ろのドアの隙間から鈴嶺がこちらを見ていた。

佐木『お嬢様?』
凱吾『あ、鈴嶺!おいで?』

鈴嶺『凱くん、怒ってる?』
凱吾に歩み寄って、窺うように見上げる。

凱吾『ううん、怒ってないよ?』
安心させるように微笑み、頭をポンポンと撫でた。
鈴嶺『良かった…
佐木、お願いね!』

佐木『はい、お預かりします!』



宗匠「━━━━で、結局、お前が持ってくるハメになったわけね!(笑)」
杏樹「お疲れ様!」
アミ「わざわざ、ご苦労様です(笑)」

タイチ「本物の執事だ……/////」
「スゲー/////」
「カッコいいわね/////」
宗匠達が話してるのを見て、タイチ達が見惚れている。

佐木「では、私は………」

タイチ「あ!一緒に飲みません?」

佐木「いえ!
滅相もございません!
ご主人様方のご友人の席につくなど、できません。
お気持ちだけいただきますね!
…………では、失礼いたします!」

丁寧に頭を下げ、去っていった。


アミ「佐木さんも、相変わらずね(笑)」

宗匠「忠誠心の塊だからな、佐木は(笑)」
杏樹「そうね!」

宗匠・杏樹「特に、鈴(鈴嶺)には!!」

タイチ「でも、いいなぁー執事!」

宗匠「そうか?」
杏樹「でも、佐木さんなら良くない?」
宗匠「佐木は完璧だが、融通が利かねぇじゃん。
めんどくせぇんだよなぁー
まぁ…完璧だから“あの”凱吾の執事も務められるんだろうが……!
鈴はスゲーよなぁ。
ずーっと、佐木がくっついてくるんだぜ?
うざくねぇのかな?」

杏樹「鈴嶺にとっては、それが当たり前だからね(笑)」
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