丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
宗匠「杏樹。お前、ほんと綺麗だよな…」 

杏樹「ちょっ…/////な、何…!?//////」

宗匠「………」

杏樹「……/////」

真剣に見つめている宗匠と、顔を赤くして固まっている杏樹。 

宗匠「………」

杏樹「……/////」

宗匠「……………
プッ…!!!」
宗匠が噴き出す。
そして、大爆笑し始めた。

杏樹「………は?な、何!?」

宗匠「マジになんなよ〜(笑)
あー、腹いてぇ〜!!」

杏樹「はぁ!?
むかつく!!!」
杏樹は砂を鷲掴みして、おもいきり宗匠にぶっかけた。

宗匠「うぉ!!?
ちょっ…杏樹!!何すんだよ!!?
今、砂食っちまったじゃねぇか!!!?」

杏樹「自業自得よ!!
からかうなんて、最低!!」

宗匠「そんな怒んなよ!!
落ち着くってのは、ほんとだぞ?」

杏樹「はぁ!?」

宗匠「お前といると、一番落ち着く」

杏樹「もういいわよ!フォローしなくたって!」

宗匠「いや、これはほんと!
お前が鈴の話ばっかするからからかったの!」

杏樹「は?嫉妬してたの?」

宗匠「嫉妬?」

杏樹「私が鈴嶺の話ばっかするから」

宗匠「そうじゃねぇよ!」

杏樹「でも、意外。
落ち着くのは、鈴嶺といる時だと思ってた」

宗匠「鈴は“ある意味”疲れる」

杏樹「え?」

宗匠「あいつは、一人じゃ何もできねぇだろ?
それにピュア過ぎて、いつも気が気じゃない。
人を信用しすぎて、騙されそうだろ? 
それにあいつのバックには“凱吾って悪魔”が潜んでるし。
俺の中で、鈴が一番可愛くて大事な女だ。
でも一番、疲れる」


それから旅館に戻り、温泉や料理を堪能した宗匠と杏樹。
布団に横になり、天井を見つめている。

杏樹「宗匠」
宗匠「んー?」

杏樹「ありがとね!楽しかった!」
宗匠「いやいや、アミのおかげだろ?(笑)」

杏樹「でも、嬉しかったから」
宗匠「ん?」

杏樹「私とは“行きたい”って言ってくれたから」
宗匠「あぁ」

杏樹「久史さんとは、無理だもん。
二人で旅行なんて」
宗匠「なんで?」
宗匠が横を向き、膝枕をして杏樹を見た。

杏樹は、天井を向いたまま答えた。
杏樹「二人で旅行に来たら…………
私はきっと……そのまま、久史さんを拐って遠くに行ってしまいそうになるから」

宗匠「………」

杏樹「なんで、こんな好きなのかな?私…」

宗匠「杏樹…」

杏樹「なんで、久史さんと出逢ったんだろ?」

宗匠「でも、選んだのは“杏樹”だ」

杏樹「わかってる」

宗匠「だから、おっさんを引き離せるのも“杏樹”だ」

杏樹「え?」
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