丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
そんな日々を過ごして、佐木の秘めた狂おしい想いがある日爆発する。
――――――――――
――――…………
ある日。
夕食が済み、ソファで並んでゆっくりしていた凱吾と鈴嶺。
凱吾「鈴嶺」
鈴嶺「ん?」
微笑み見上げる鈴嶺に、凱吾は悲しそうに眉をひそめて向き直った。
凱吾「あの…ね」
鈴嶺「うん?どうしたの?」
凱吾「今週末なんだけど…」
鈴嶺「うん!デートする?」
凱吾「あ、そうじゃなくて…」
鈴嶺「うん」
凱吾「出張に行くんだ」
鈴嶺「え?出張?」
凱吾「それでね。
金曜の仕事終わりにそのまま行って、日曜の夕方に帰る」
鈴嶺「………」
鈴嶺は、固まっていた。
凱吾「鈴嶺?聞いてる?」
鈴嶺「………」
凱吾「鈴嶺!!」
鈴嶺「……………会えな…い…の?」
凱吾「ごめんね。
早く終わらせることが出来たら、急いで帰るからね」
その日は鈴嶺をずっと抱き締め、慰めていた。
そして、金曜日の朝。
凱吾「じゃあ、行ってくるね」
鈴嶺「うん…気をつけてね…」
凱吾「うん。
鈴嶺、日曜まで実家に帰ったらどうかな?」
鈴嶺「パパもママも今はいないの。
お祖母様の所に行ってて…」
凱吾「そっか。
じゃあ、杏樹は?」
鈴嶺「杏ちゃんも、忙しいみたい。
それに、夜中しか帰ってこないし…」
凱吾「そうだよね…」
鈴嶺「大丈夫だよ。
凱くんに心配かけないように、ちゃんとお留守番する!」
凱吾「………」
(強がらないでほしいのに…)
必死に強がっている健気な鈴嶺に、凱吾の方が悲しくなる。
鈴嶺「凱くん?
どうし――――――」
鈴嶺を引き寄せ、抱き締める凱吾。
凱吾「僕は寂しい…」
呟くと、鈴嶺もすがりついてきた。
鈴嶺「凱くん、狡いよ…」
凱吾「え?」
向き直ると、鈴嶺が涙目で睨みつけていた。
鈴嶺「必死で我慢して、心配かけないようにしてるのにそんなこと言うの狡い!!」
凱吾「あ…そう…だよね。ごめんね」
鈴嶺の目元を拭い、額をくっつけた。
鈴嶺「ううん。
夜、電話していい?」
凱吾「うん。僕もするからね」
名残惜しく手を振って別れ、凱吾は仕事に出掛けた。
鈴嶺はすっかり元気をなくして、リビングに戻りソファに座っていた。
その日はそのままボーっとして過ごし、なんとなくテレビを見たり、なんとなく小説を読んだりしてなんとか一日を過ごした。
夜は凱吾と電話で話して少し気分が落ち着いたが、その後どうしても寂しくて、電気をつけたまま寝た。
次の日。
さすがにこのままではいけないと思い、出掛けることにした。
佐木に連絡をし、マンションを出た。
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ある日。
夕食が済み、ソファで並んでゆっくりしていた凱吾と鈴嶺。
凱吾「鈴嶺」
鈴嶺「ん?」
微笑み見上げる鈴嶺に、凱吾は悲しそうに眉をひそめて向き直った。
凱吾「あの…ね」
鈴嶺「うん?どうしたの?」
凱吾「今週末なんだけど…」
鈴嶺「うん!デートする?」
凱吾「あ、そうじゃなくて…」
鈴嶺「うん」
凱吾「出張に行くんだ」
鈴嶺「え?出張?」
凱吾「それでね。
金曜の仕事終わりにそのまま行って、日曜の夕方に帰る」
鈴嶺「………」
鈴嶺は、固まっていた。
凱吾「鈴嶺?聞いてる?」
鈴嶺「………」
凱吾「鈴嶺!!」
鈴嶺「……………会えな…い…の?」
凱吾「ごめんね。
早く終わらせることが出来たら、急いで帰るからね」
その日は鈴嶺をずっと抱き締め、慰めていた。
そして、金曜日の朝。
凱吾「じゃあ、行ってくるね」
鈴嶺「うん…気をつけてね…」
凱吾「うん。
鈴嶺、日曜まで実家に帰ったらどうかな?」
鈴嶺「パパもママも今はいないの。
お祖母様の所に行ってて…」
凱吾「そっか。
じゃあ、杏樹は?」
鈴嶺「杏ちゃんも、忙しいみたい。
それに、夜中しか帰ってこないし…」
凱吾「そうだよね…」
鈴嶺「大丈夫だよ。
凱くんに心配かけないように、ちゃんとお留守番する!」
凱吾「………」
(強がらないでほしいのに…)
必死に強がっている健気な鈴嶺に、凱吾の方が悲しくなる。
鈴嶺「凱くん?
どうし――――――」
鈴嶺を引き寄せ、抱き締める凱吾。
凱吾「僕は寂しい…」
呟くと、鈴嶺もすがりついてきた。
鈴嶺「凱くん、狡いよ…」
凱吾「え?」
向き直ると、鈴嶺が涙目で睨みつけていた。
鈴嶺「必死で我慢して、心配かけないようにしてるのにそんなこと言うの狡い!!」
凱吾「あ…そう…だよね。ごめんね」
鈴嶺の目元を拭い、額をくっつけた。
鈴嶺「ううん。
夜、電話していい?」
凱吾「うん。僕もするからね」
名残惜しく手を振って別れ、凱吾は仕事に出掛けた。
鈴嶺はすっかり元気をなくして、リビングに戻りソファに座っていた。
その日はそのままボーっとして過ごし、なんとなくテレビを見たり、なんとなく小説を読んだりしてなんとか一日を過ごした。
夜は凱吾と電話で話して少し気分が落ち着いたが、その後どうしても寂しくて、電気をつけたまま寝た。
次の日。
さすがにこのままではいけないと思い、出掛けることにした。
佐木に連絡をし、マンションを出た。