丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
そこに、凱吾から鈴嶺のスマホに着信が入ってくる。
鈴嶺はスマホを掴み画面を確認して、佐木に向き直った。
鈴嶺「佐木、後はもういいから。
ゆっくりして?
ここでゆっくりしてくれてもいいし、お家に帰ってもらっても構わないから。
大丈夫。何かあったら、連絡するから」
佐木は「かしこまりました」と頭を下げ、部屋を出ようとドアに向かった。
なかなか着信音が鳴り止まない。
振り向き鈴嶺を見ると、スマホを握りしめて画面を見つめていた。
佐木「……?お嬢様?どうし――――あ…」
鈴嶺は、震えていた。
そして必死に、呼吸を整えていた。
本当は、佐木の行為に恐怖を感じていたのだ。
何度か深呼吸をして、電話に出た鈴嶺。
鈴嶺「凱くん!」
声のトーンが上がり、雰囲気も明るくなった。
佐木「――――!!?」
その鈴嶺の変わり様に、佐木は目を見開いた。
鈴嶺「うん、うん!
え?そんなことないよ、元気だよ?
…………うん!大丈夫!
あー、それ言わないで?
私だって寂しいのを我慢してるんだよ?
狡いよ、凱くん!」
鋭く、察しの良い凱吾のことだ。
鈴嶺のちょっとした変化で、気づいてしまう。
なので、必死に鈴嶺は“何もないフリを”していた。
「――――――え!?ほんと!?
だったら、もう寝なきゃ!
明日起きて、ちゃんと凱くんを出迎えたい!
――――――うん!待ってるね!」
通話を切った鈴嶺は、大きく息を吐いた。
小柄な鈴嶺が、更に小さく見える。
佐木は、声をかけようとしてやめた。
何と声をかければいいのかわからなかったから。
佐木はもう一度丁寧に頭を下げ、部屋を後にした。
風呂場に行き、風呂の掃除をする。
キッチンやリビングも綺麗にし、凱吾・鈴嶺宅を出た。
鈴嶺の様子で、きっと凱吾は始発の電車で帰って来るのだろう。
ここにいては、きっと凱吾を不快にさせる。
家に着き、ソファに腰掛けた。
背もたれにもたれ、天井を見上げる。
はぁぁ……と大きく息を吐き、目を瞑った。
すると、ブブブ…と胸ポケットに入れている佐木のスマホが震えだした。
ビクッと驚いて、スマホを取り出す。
佐木「………」
画面には“凱吾様”の文字が映し出されていた。
鈴嶺はスマホを掴み画面を確認して、佐木に向き直った。
鈴嶺「佐木、後はもういいから。
ゆっくりして?
ここでゆっくりしてくれてもいいし、お家に帰ってもらっても構わないから。
大丈夫。何かあったら、連絡するから」
佐木は「かしこまりました」と頭を下げ、部屋を出ようとドアに向かった。
なかなか着信音が鳴り止まない。
振り向き鈴嶺を見ると、スマホを握りしめて画面を見つめていた。
佐木「……?お嬢様?どうし――――あ…」
鈴嶺は、震えていた。
そして必死に、呼吸を整えていた。
本当は、佐木の行為に恐怖を感じていたのだ。
何度か深呼吸をして、電話に出た鈴嶺。
鈴嶺「凱くん!」
声のトーンが上がり、雰囲気も明るくなった。
佐木「――――!!?」
その鈴嶺の変わり様に、佐木は目を見開いた。
鈴嶺「うん、うん!
え?そんなことないよ、元気だよ?
…………うん!大丈夫!
あー、それ言わないで?
私だって寂しいのを我慢してるんだよ?
狡いよ、凱くん!」
鋭く、察しの良い凱吾のことだ。
鈴嶺のちょっとした変化で、気づいてしまう。
なので、必死に鈴嶺は“何もないフリを”していた。
「――――――え!?ほんと!?
だったら、もう寝なきゃ!
明日起きて、ちゃんと凱くんを出迎えたい!
――――――うん!待ってるね!」
通話を切った鈴嶺は、大きく息を吐いた。
小柄な鈴嶺が、更に小さく見える。
佐木は、声をかけようとしてやめた。
何と声をかければいいのかわからなかったから。
佐木はもう一度丁寧に頭を下げ、部屋を後にした。
風呂場に行き、風呂の掃除をする。
キッチンやリビングも綺麗にし、凱吾・鈴嶺宅を出た。
鈴嶺の様子で、きっと凱吾は始発の電車で帰って来るのだろう。
ここにいては、きっと凱吾を不快にさせる。
家に着き、ソファに腰掛けた。
背もたれにもたれ、天井を見上げる。
はぁぁ……と大きく息を吐き、目を瞑った。
すると、ブブブ…と胸ポケットに入れている佐木のスマホが震えだした。
ビクッと驚いて、スマホを取り出す。
佐木「………」
画面には“凱吾様”の文字が映し出されていた。