丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
鈴嶺お嬢様
鈴嶺は、典型的なお嬢様だ。
幼い頃から常に佐木をつけて生活していたため、一人では何も出来ない。
結婚後も凱吾の過保護のせいで学ぶこともないので、更に何も出来ない。
掃除、洗濯、調理はできるが、買い物は一人でいけない。
そして、スマホもまともに扱えない。
電話、メール、メッセージ機能しか使えない。
ネットは一切、凱吾と佐木に禁じられているため(というより、使い方さえ知らない)ネットも使えない。
唯一好きなブランドのHPのみ、凱吾に設定してもらっていて見ているが、凱吾に厳しく躾けられていて、閲覧しか出来ない。
ある日の夕食後。
いつも凱吾と鈴嶺は夕食後、一緒に片付けてソファでゆっくりする。
映画を鑑賞したり、話に花を咲かせたり。
凱吾「―――――鈴嶺。僕、今から少し仕事するから」
でもたまに、凱吾は仕事を家に持ち帰る事がある。
鈴嶺「え?お部屋行くの?」
凱吾「うん、ごめんね」
鈴嶺「うん…」
頭をポンポンと撫でて、ダイニングを出ていく凱吾を切なく見つめる。
ノートパソコンで仕事中の、凱吾。
部屋内には、カチャカチャとキーボードを叩く音だけが響いている。
しばらくすると、コンコンと遠慮がちにノックの音が響いた。
鈴嶺「凱くん、凱くん」
そして、遠慮がちな鈴嶺の声がドア越しに聞こえてくる。
凱吾「鈴嶺?どうぞ、入っておいで?」
凱吾が中から言う。
鈴嶺がゆっくりドアを開け、顔を覗かせた。
鈴嶺「凱くん、あのね…
ちょっと、休憩しない?
コーヒー淹れるよ?」
凱吾「んー、今はいいかな?」
鈴嶺「そ、そっか…」
鈴嶺の表情が、切なく曇る。
凱吾「ん?
こっちおいで?」
微笑み手招きすると、嬉しそうに頷きパタパタ…と近寄ってきた。
デスクチェアをクルッと回し、鈴嶺に向き直る。
そして鈴嶺の手を掴んで、指を絡めた。
凱吾「どうしたの?
寂しくなっちゃた?」
見上げて、優しく問いかけるように言う。
鈴嶺「うん…
お仕事の邪魔してごめんなさい…」
凱吾「ううん、いいんだよ?
僕こそごめんね。
待ってね、もうすぐ終わるよ。
終わったら、映画でも見ようか?
確か、新しいのが配信されてるはずだから!」
鈴嶺「うん。
あの、またお隣にいてもいい?
これ以上お仕事の邪魔しないから」
凱吾「ん、いいよ!」
凱吾が微笑み頷くと、鈴嶺が隣にある椅子に腰掛けた。
凱吾は鈴嶺の頭を数回撫で、仕事を再開する。
鈴嶺は、そっと隣の凱吾を見つめた。
ブルーライトカットの眼鏡をかけている凱吾。
パソコンの画面を見つめる横顔が、とても凛々しくて綺麗だ。
鈴嶺「綺麗…/////」
思わず、呟く。
凱吾「ん?」
鈴嶺を見て、微笑む。
鈴嶺「……/////あ…ご、ごめんなさい!」
慌てて顔を逸らした。
凱吾「一人にしてごめんね。
もうすぐだからね!」
鈴嶺には、本当に優しい表情と言葉を伝える凱吾。
鈴嶺も微笑み、大きく頷いた。
幼い頃から常に佐木をつけて生活していたため、一人では何も出来ない。
結婚後も凱吾の過保護のせいで学ぶこともないので、更に何も出来ない。
掃除、洗濯、調理はできるが、買い物は一人でいけない。
そして、スマホもまともに扱えない。
電話、メール、メッセージ機能しか使えない。
ネットは一切、凱吾と佐木に禁じられているため(というより、使い方さえ知らない)ネットも使えない。
唯一好きなブランドのHPのみ、凱吾に設定してもらっていて見ているが、凱吾に厳しく躾けられていて、閲覧しか出来ない。
ある日の夕食後。
いつも凱吾と鈴嶺は夕食後、一緒に片付けてソファでゆっくりする。
映画を鑑賞したり、話に花を咲かせたり。
凱吾「―――――鈴嶺。僕、今から少し仕事するから」
でもたまに、凱吾は仕事を家に持ち帰る事がある。
鈴嶺「え?お部屋行くの?」
凱吾「うん、ごめんね」
鈴嶺「うん…」
頭をポンポンと撫でて、ダイニングを出ていく凱吾を切なく見つめる。
ノートパソコンで仕事中の、凱吾。
部屋内には、カチャカチャとキーボードを叩く音だけが響いている。
しばらくすると、コンコンと遠慮がちにノックの音が響いた。
鈴嶺「凱くん、凱くん」
そして、遠慮がちな鈴嶺の声がドア越しに聞こえてくる。
凱吾「鈴嶺?どうぞ、入っておいで?」
凱吾が中から言う。
鈴嶺がゆっくりドアを開け、顔を覗かせた。
鈴嶺「凱くん、あのね…
ちょっと、休憩しない?
コーヒー淹れるよ?」
凱吾「んー、今はいいかな?」
鈴嶺「そ、そっか…」
鈴嶺の表情が、切なく曇る。
凱吾「ん?
こっちおいで?」
微笑み手招きすると、嬉しそうに頷きパタパタ…と近寄ってきた。
デスクチェアをクルッと回し、鈴嶺に向き直る。
そして鈴嶺の手を掴んで、指を絡めた。
凱吾「どうしたの?
寂しくなっちゃた?」
見上げて、優しく問いかけるように言う。
鈴嶺「うん…
お仕事の邪魔してごめんなさい…」
凱吾「ううん、いいんだよ?
僕こそごめんね。
待ってね、もうすぐ終わるよ。
終わったら、映画でも見ようか?
確か、新しいのが配信されてるはずだから!」
鈴嶺「うん。
あの、またお隣にいてもいい?
これ以上お仕事の邪魔しないから」
凱吾「ん、いいよ!」
凱吾が微笑み頷くと、鈴嶺が隣にある椅子に腰掛けた。
凱吾は鈴嶺の頭を数回撫で、仕事を再開する。
鈴嶺は、そっと隣の凱吾を見つめた。
ブルーライトカットの眼鏡をかけている凱吾。
パソコンの画面を見つめる横顔が、とても凛々しくて綺麗だ。
鈴嶺「綺麗…/////」
思わず、呟く。
凱吾「ん?」
鈴嶺を見て、微笑む。
鈴嶺「……/////あ…ご、ごめんなさい!」
慌てて顔を逸らした。
凱吾「一人にしてごめんね。
もうすぐだからね!」
鈴嶺には、本当に優しい表情と言葉を伝える凱吾。
鈴嶺も微笑み、大きく頷いた。