丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
凱吾「鈴嶺、手どうしたの?」
鈴嶺は、首を横に振る。
凱吾「もう、怒ってないから。
だから、教えて?」
できる限り優しく問いかける。
鈴嶺は目を潤ませたまま、おずおずと手を出した。
指にカットバンが貼られていた。
凱吾「切ったの?」
優しく手を取り、指を見つめる。
鈴嶺「お料理、途中だったから。
動揺してて、つい…」
凱吾「そっか…
痛い?」
鈴嶺「少し…
でも、そんな酷くないよ。
ほんの少し包丁で切っただけだから…」
凱吾「気をつけなきゃ」
鈴嶺「ごめんなさい…」
凱吾「残りは、僕がするから。
鈴嶺は、休んでて?」
鈴嶺「え?でも…」
凱吾「いいから!
あと、大丈夫だよ」
鈴嶺「え?」
凱吾「お風呂。
一緒に入るし、一緒に寝ようね」
鈴嶺「え?え?
い、いいの?」
凱吾「うん。
ハナからそんな気ないよ。
ただ、鈴嶺にわかってほしかっただけ」
鈴嶺「良かっ…た……」
凱吾「はい!鈴嶺」
鈴嶺に向かって、両手を広げる。
鈴嶺「え?」
凱吾「今日まだ、抱き締めてないから」
鈴嶺「凱くん!」
嬉しそうに抱きついた。
凱吾「もう、ダメだよ。
サプライズしてくれるなら、違うことにして?」
鈴嶺「うん!
ごめんなさい、凱くん!」
凱吾「もういいよ!」
十分だよ。
これでまた一歩、鈴嶺が依存に近づいたから。
後日。
ランチが終わり、ゆっくり紅茶を飲んでいた鈴嶺。
最近の鈴嶺は、紅茶を飲みながらレシピ本を読むのが日課になっている。
鈴嶺「あ!これ美味しそう!
あ、でも、お魚あったかな?」
冷蔵庫の中を確認しようと、立ち上がる。
するとそこに、チャイムが鳴り響いた。
鈴嶺「ん?誰だろ?」
インターフォンを確認する。
鈴嶺「はい、どなた?」
(見たことある方だな…)
『鈴嶺、覚えてる?
私、サヤ!』
鈴嶺「え!?サヤちゃん!?
久しぶり!」
サヤ『うん!
急にごめんね!
ちょっと、相談があって……
鈴嶺の実家に行って、聞いてきちゃった!』
鈴嶺「そっか!
フフ…ちょっと待ってね!
オートロック開けるから!」
サヤ「――――お邪魔します!」
鈴嶺「どうぞ?」
サヤ「素敵……!!」
広々した室内に、サヤは歓喜をあげた。
鈴嶺は、首を横に振る。
凱吾「もう、怒ってないから。
だから、教えて?」
できる限り優しく問いかける。
鈴嶺は目を潤ませたまま、おずおずと手を出した。
指にカットバンが貼られていた。
凱吾「切ったの?」
優しく手を取り、指を見つめる。
鈴嶺「お料理、途中だったから。
動揺してて、つい…」
凱吾「そっか…
痛い?」
鈴嶺「少し…
でも、そんな酷くないよ。
ほんの少し包丁で切っただけだから…」
凱吾「気をつけなきゃ」
鈴嶺「ごめんなさい…」
凱吾「残りは、僕がするから。
鈴嶺は、休んでて?」
鈴嶺「え?でも…」
凱吾「いいから!
あと、大丈夫だよ」
鈴嶺「え?」
凱吾「お風呂。
一緒に入るし、一緒に寝ようね」
鈴嶺「え?え?
い、いいの?」
凱吾「うん。
ハナからそんな気ないよ。
ただ、鈴嶺にわかってほしかっただけ」
鈴嶺「良かっ…た……」
凱吾「はい!鈴嶺」
鈴嶺に向かって、両手を広げる。
鈴嶺「え?」
凱吾「今日まだ、抱き締めてないから」
鈴嶺「凱くん!」
嬉しそうに抱きついた。
凱吾「もう、ダメだよ。
サプライズしてくれるなら、違うことにして?」
鈴嶺「うん!
ごめんなさい、凱くん!」
凱吾「もういいよ!」
十分だよ。
これでまた一歩、鈴嶺が依存に近づいたから。
後日。
ランチが終わり、ゆっくり紅茶を飲んでいた鈴嶺。
最近の鈴嶺は、紅茶を飲みながらレシピ本を読むのが日課になっている。
鈴嶺「あ!これ美味しそう!
あ、でも、お魚あったかな?」
冷蔵庫の中を確認しようと、立ち上がる。
するとそこに、チャイムが鳴り響いた。
鈴嶺「ん?誰だろ?」
インターフォンを確認する。
鈴嶺「はい、どなた?」
(見たことある方だな…)
『鈴嶺、覚えてる?
私、サヤ!』
鈴嶺「え!?サヤちゃん!?
久しぶり!」
サヤ『うん!
急にごめんね!
ちょっと、相談があって……
鈴嶺の実家に行って、聞いてきちゃった!』
鈴嶺「そっか!
フフ…ちょっと待ってね!
オートロック開けるから!」
サヤ「――――お邪魔します!」
鈴嶺「どうぞ?」
サヤ「素敵……!!」
広々した室内に、サヤは歓喜をあげた。