丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
サヤは、高校の時の友人。
しかしサヤは、高校二年の時に退学したので、会うのはそれ以来だ。

サヤ「鈴嶺、これ…!」

鈴嶺「ケーキ!?
ありがとう!
フフ…コーヒー淹れるね!」

サヤ「あ、紅茶でいいよ!
鈴嶺、紅茶飲んでる途中みたいだし」

鈴嶺「うん!
ちょっと待っててね!」


ケーキと紅茶を出し、ソファに座った二人。

鈴嶺「ほんと、久しぶりだね!
サヤちゃん、どうしてた?」

サヤ「うん…あれから、実は…結局中絶したの…」

鈴嶺「え……そ…なの…?」

サヤが退学した理由は、当時付き合っていた男子との間に子どもが出来たからだ。

サヤ「あ、でも!
こんなこと言うと、あれだけど……
おろして良かったと思ってる。
とんでもない奴だったから……」

鈴嶺「そっか…」

サヤ「それでね、私来月結婚するの!」

鈴嶺「え!?
おめでとう!!
素敵〜!お祝いしなきゃ!」

サヤ「フフ…ありがとう!
…………あ…それでね…相談ってゆうのが…」

鈴嶺「うん!」

サヤ「………」

鈴嶺「ん?サヤちゃん?」

サヤ「鈴嶺、お金貸してくれない?」

鈴嶺「………え……?」

サヤ「50……いや、30万でいいの!
いっぺんには無理だけど、少しずつ返すから!」

鈴嶺「………」

サヤ「ごめん!
久しぶりに会ったのに、こんなこと頼んで……
失礼だし、非常識だとはわかってる!
でも、お願い……!!」

鈴嶺「………わかった!いいよ!」

サヤ「ありがとう…!!
本当に、ありがとう!」

鈴嶺「いつ、準備したらいい?」

サヤ「できる限り、早い方が……」

鈴嶺「じゃあ…明日!
明日午前中に銀行に行って、おろしておくね!」

サヤ「ありがとう!」


しかしこのことは、凱吾に叱られてしまう。

凱吾「は?30万!!?
どうしてそんな安請け合いするの!?」

鈴嶺「え…だって、サヤちゃん凄く困ってたから……」

凱吾「鈴嶺、ダメだよ。
今からでも断りな」

鈴嶺「え!?どうして!!?」

凱吾「そもそも、その30万は何に使うの?
少しずつ返すって、月いくらずつ?
いつまでに完済する予定なの? 
そして、ちゃんと返すっていう証明書は?」

鈴嶺「え?え?え?」

立て続けに凱吾に言われ、鈴嶺はあたふたし始めた。
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