丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
紀信「━━━━初めまして。南波 紀信です」
見合い当日。
紀信は、見合い相手・名原 知里と会っていた。
知里「名原 知里です!初めまして!」
満面の笑みで挨拶する。
知里は、紀信に会えるのをとても楽しみにしていたのだ。
見合いと言っても、突然紀信と知里は二人で会っていた。
それは紀信が、二人で会いたいと言ったから。
紀信は、断るつもりでいたからだ。
紀信「………」
しかし、目の前でニコニコ微笑んでいる知里を前に、なかなか切り出せない。
凱吾や宗匠なら、この場ではっきりと断わることができるだろう。
知里「南波さん」
紀信「あ、はい」
知里「甘いもの、お好きですか?」
紀信「え?あ、そうですね…嫌いではないです」
知里「じゃあ…美味しいパンケーキのお店、行きません?」
紀信「あ、はい」
お茶ならいいか…と頷くのだった。
知里「━━━━南波さん、お休みの日は何を?」
紀信「病院にいます。
入院中の子ども達と遊んだりとか」
知里「へぇー!子どもがお好きなんですね!」
紀信「はい」
知里「私も、子ども好きです!」
ほぼ一方的だが、知里がずっと話してくれるおかげで、そんなに緊張さずにお茶ができていた。
知里「………あの、南波さん」
紀信「はい」
知里「今日のお見合い“前向き”に考えていいんですよね?」
紀信「え?」
知里が、期待を込めたように見つめている。
知里「私……南波さんを初めてお見かけしてから、ずっと気になってて……
今日会えるの、楽しみにしてたんです!」
知里のキラキラした瞳が、紀信に突き刺さる。
紀信は知里の視線から目を逸らし、俯いた。
知里「南波さん?」
紀信「ごめんなさい!!」
知里「え?」
紀信「僕は今日、断わるために来ました」
知里「え……」
紀信は知里に向き直り、真っ直ぐ見つめた。
紀信「僕には、忘れられない想い人がいます。
ずっと、想い続けてる人です。
想いは叶わないけど……その人以外と、今は恋愛する気になれません。
ごめんなさい!」
そして紀信は伝票を取って立ち上がり、一礼してレジへ向かった。
見合い当日。
紀信は、見合い相手・名原 知里と会っていた。
知里「名原 知里です!初めまして!」
満面の笑みで挨拶する。
知里は、紀信に会えるのをとても楽しみにしていたのだ。
見合いと言っても、突然紀信と知里は二人で会っていた。
それは紀信が、二人で会いたいと言ったから。
紀信は、断るつもりでいたからだ。
紀信「………」
しかし、目の前でニコニコ微笑んでいる知里を前に、なかなか切り出せない。
凱吾や宗匠なら、この場ではっきりと断わることができるだろう。
知里「南波さん」
紀信「あ、はい」
知里「甘いもの、お好きですか?」
紀信「え?あ、そうですね…嫌いではないです」
知里「じゃあ…美味しいパンケーキのお店、行きません?」
紀信「あ、はい」
お茶ならいいか…と頷くのだった。
知里「━━━━南波さん、お休みの日は何を?」
紀信「病院にいます。
入院中の子ども達と遊んだりとか」
知里「へぇー!子どもがお好きなんですね!」
紀信「はい」
知里「私も、子ども好きです!」
ほぼ一方的だが、知里がずっと話してくれるおかげで、そんなに緊張さずにお茶ができていた。
知里「………あの、南波さん」
紀信「はい」
知里「今日のお見合い“前向き”に考えていいんですよね?」
紀信「え?」
知里が、期待を込めたように見つめている。
知里「私……南波さんを初めてお見かけしてから、ずっと気になってて……
今日会えるの、楽しみにしてたんです!」
知里のキラキラした瞳が、紀信に突き刺さる。
紀信は知里の視線から目を逸らし、俯いた。
知里「南波さん?」
紀信「ごめんなさい!!」
知里「え?」
紀信「僕は今日、断わるために来ました」
知里「え……」
紀信は知里に向き直り、真っ直ぐ見つめた。
紀信「僕には、忘れられない想い人がいます。
ずっと、想い続けてる人です。
想いは叶わないけど……その人以外と、今は恋愛する気になれません。
ごめんなさい!」
そして紀信は伝票を取って立ち上がり、一礼してレジへ向かった。