丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
会計をし、店を出る。
フーッと息を吐いた。
◯◯「南波さん(紀信くん)!!」
追いかけてきた知里の呼び声に混じって、ある人の声が紀信の耳に届いた。
紀信「鈴嶺!?」
鈴嶺「紀信くんも、パンケーキ食べに来たの?」
後ろに佐木を控えた鈴嶺が、微笑み近づいてきた。
紀信「あ、いや…」
鈴嶺「あれ?こちらは?」
紀信の隣の知里を見て、鈴嶺が言った。
紀信「うん…
お見合いの………」
言葉を濁し、言った紀信。
鈴嶺「あ…そ、そっか…!」
佐木「お嬢様。
早く食べないと、凱吾様の所に行くの遅れますよ?」
何かを察した佐木が、鈴嶺に声をかける。
鈴嶺「あ、そうだね!
紀信くん、またね!」
紀信「あ、う、うん…」
中に入る鈴嶺。
佐木はそれを見届けて、車に戻ろうとする。
それをジッと見ていた紀信。
佐木「紀信様?」
紀信「え?はい」
佐木「どうされました?」
紀信「え?」
佐木「お相手様、待ってますよ?」
紀信「え?」
知里「“紀信”さん!行きましょ?」
知里が紀信に腕を絡め、紀信を名前で呼び上目遣いで見上げた。
紀信「━━━━━!!!!?」
その声、言葉、視線、行為……知里の全てに凄まじい嫌悪感が湧きだす。
紀信「触らないで!!!」
紀信は思わず、知里を突き飛ばしてしまう。
知里「キャッ!!?」
ドサッとしりもちをつく、知里。
佐木「大丈夫ですか!!?
ちょっ…紀信様!!
━━━━━っえ……!?」
慌てて知里に近づき、紀信を見上げる佐木。
紀信の雰囲気に、佐木は固まった。
紀信「はぁはぁ……」
肩で息をしながら、紀信は知里を睨み付けていた。
こんな紀信を、見たことがない。
紀信「名原さん、僕はお断りしたはずです。
もう二度と、僕の前に現れないでください」
そう言って紀信は、少々ふらつくようにその場を後にした。
自宅(紀信は実家暮らし)に帰り、自室に入った紀信。
そのまま、ベッドに倒れるように横になった。
身体中に鳥肌がたっていて、紀信は苦しそうにもがく。
苦しい━━━━━━
苦しくて、頭が熱くてガンガン痛む。
紀信「誰か…助けて……」
紀信は、頭を抱えてうずくまっていた。
フーッと息を吐いた。
◯◯「南波さん(紀信くん)!!」
追いかけてきた知里の呼び声に混じって、ある人の声が紀信の耳に届いた。
紀信「鈴嶺!?」
鈴嶺「紀信くんも、パンケーキ食べに来たの?」
後ろに佐木を控えた鈴嶺が、微笑み近づいてきた。
紀信「あ、いや…」
鈴嶺「あれ?こちらは?」
紀信の隣の知里を見て、鈴嶺が言った。
紀信「うん…
お見合いの………」
言葉を濁し、言った紀信。
鈴嶺「あ…そ、そっか…!」
佐木「お嬢様。
早く食べないと、凱吾様の所に行くの遅れますよ?」
何かを察した佐木が、鈴嶺に声をかける。
鈴嶺「あ、そうだね!
紀信くん、またね!」
紀信「あ、う、うん…」
中に入る鈴嶺。
佐木はそれを見届けて、車に戻ろうとする。
それをジッと見ていた紀信。
佐木「紀信様?」
紀信「え?はい」
佐木「どうされました?」
紀信「え?」
佐木「お相手様、待ってますよ?」
紀信「え?」
知里「“紀信”さん!行きましょ?」
知里が紀信に腕を絡め、紀信を名前で呼び上目遣いで見上げた。
紀信「━━━━━!!!!?」
その声、言葉、視線、行為……知里の全てに凄まじい嫌悪感が湧きだす。
紀信「触らないで!!!」
紀信は思わず、知里を突き飛ばしてしまう。
知里「キャッ!!?」
ドサッとしりもちをつく、知里。
佐木「大丈夫ですか!!?
ちょっ…紀信様!!
━━━━━っえ……!?」
慌てて知里に近づき、紀信を見上げる佐木。
紀信の雰囲気に、佐木は固まった。
紀信「はぁはぁ……」
肩で息をしながら、紀信は知里を睨み付けていた。
こんな紀信を、見たことがない。
紀信「名原さん、僕はお断りしたはずです。
もう二度と、僕の前に現れないでください」
そう言って紀信は、少々ふらつくようにその場を後にした。
自宅(紀信は実家暮らし)に帰り、自室に入った紀信。
そのまま、ベッドに倒れるように横になった。
身体中に鳥肌がたっていて、紀信は苦しそうにもがく。
苦しい━━━━━━
苦しくて、頭が熱くてガンガン痛む。
紀信「誰か…助けて……」
紀信は、頭を抱えてうずくまっていた。