丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
紀信の病院。
手術室の前の椅子に、項垂れ涙を流す鈴嶺。
鈴嶺を抱き締め、落ち着かせるように背中を撫でている凱吾。
佐木も、鈴嶺の足元に跪いて鈴嶺を落ち着かせている。
宗匠と紀信、杏樹の母親、志田が駆けつけてきた。
宗匠・紀信・杏樹母・志田「杏樹(杏)は!!?」
佐木「まだ…手術中です…」
すると鈴嶺がバッと立ち上がり、杏樹の母親と志田に深く頭を下げた。
鈴嶺「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
杏ちゃん、私を庇って………」
杏樹母「落ち着いて、鈴嶺ちゃん!!」
志田「君のせいじゃないだろ!!?」
鈴嶺「私のせいです!!!
ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
そのまま崩れ落ちるように、床にへたりこんだ。
凱吾「鈴嶺!!?落ち着いて!!
鈴嶺は悪くない!!」
佐木「お嬢様、落ち着いてください!」
凱吾が抱き締め必死に言い聞かせ、佐木も駆け寄る。
宗匠「でも、誰が!?」
紀信「元は、鈴嶺を突き落としたんだよね!?」
志田「鈴嶺ちゃん、見てないかな?」
鈴嶺「…………
………いえ…」
鈴嶺が、ゆっくり首を横に振る。
凱吾「………」
志田「……そう…か……」
しかし鈴嶺は“誰が”自分を突き落とそうとしたのか知っていた。
あの時、逃げていく知里を見たのだ。
そこに手術室のライトが消え、医師が出てくる。
幸い……突き落とされた時、鈴嶺と杏樹が下段にいたこと、エスカレーターの下が柔らかい素材の床だったことが功を奏し、杏樹は命に別状がなく短期間の入院で済んだ。
頭を打って切っていたが、検査で脳などには異常なし。
左手の骨折と頭の切り傷だけで、済んだ。
鈴嶺「杏ちゃん!ごめんね、ごめんね……!」
杏樹「いいの!でも良かった!鈴嶺に怪我なくて!」
杏樹母「ほんと…良かったわ!ママ、寿命縮んだわよ!」
抱き締め合う三人を見て、凱吾達は安心したように息を吐く。
少し離れた所から、凱吾達が鈴嶺と杏樹、杏樹母に聞こえないように話していた。
志田「凱吾くん」
凱吾「はい」
志田「鈴嶺ちゃん、犯人見てるよきっと……
しかもその人物は、鈴嶺ちゃんの知り合いだと思う」
宗匠「みたいだな」
紀信「あの間は、そんな感じだよね」
凱吾「わかってます。
だから、どうやって聞き出そうか考えてます」
凱吾達は鈴嶺の微妙な間に、違和感をおぼえていたのだ。
志田「わかったら、俺にも教えてくれない?」
志田の雰囲気が、黒く染まっていた。
手術室の前の椅子に、項垂れ涙を流す鈴嶺。
鈴嶺を抱き締め、落ち着かせるように背中を撫でている凱吾。
佐木も、鈴嶺の足元に跪いて鈴嶺を落ち着かせている。
宗匠と紀信、杏樹の母親、志田が駆けつけてきた。
宗匠・紀信・杏樹母・志田「杏樹(杏)は!!?」
佐木「まだ…手術中です…」
すると鈴嶺がバッと立ち上がり、杏樹の母親と志田に深く頭を下げた。
鈴嶺「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
杏ちゃん、私を庇って………」
杏樹母「落ち着いて、鈴嶺ちゃん!!」
志田「君のせいじゃないだろ!!?」
鈴嶺「私のせいです!!!
ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
そのまま崩れ落ちるように、床にへたりこんだ。
凱吾「鈴嶺!!?落ち着いて!!
鈴嶺は悪くない!!」
佐木「お嬢様、落ち着いてください!」
凱吾が抱き締め必死に言い聞かせ、佐木も駆け寄る。
宗匠「でも、誰が!?」
紀信「元は、鈴嶺を突き落としたんだよね!?」
志田「鈴嶺ちゃん、見てないかな?」
鈴嶺「…………
………いえ…」
鈴嶺が、ゆっくり首を横に振る。
凱吾「………」
志田「……そう…か……」
しかし鈴嶺は“誰が”自分を突き落とそうとしたのか知っていた。
あの時、逃げていく知里を見たのだ。
そこに手術室のライトが消え、医師が出てくる。
幸い……突き落とされた時、鈴嶺と杏樹が下段にいたこと、エスカレーターの下が柔らかい素材の床だったことが功を奏し、杏樹は命に別状がなく短期間の入院で済んだ。
頭を打って切っていたが、検査で脳などには異常なし。
左手の骨折と頭の切り傷だけで、済んだ。
鈴嶺「杏ちゃん!ごめんね、ごめんね……!」
杏樹「いいの!でも良かった!鈴嶺に怪我なくて!」
杏樹母「ほんと…良かったわ!ママ、寿命縮んだわよ!」
抱き締め合う三人を見て、凱吾達は安心したように息を吐く。
少し離れた所から、凱吾達が鈴嶺と杏樹、杏樹母に聞こえないように話していた。
志田「凱吾くん」
凱吾「はい」
志田「鈴嶺ちゃん、犯人見てるよきっと……
しかもその人物は、鈴嶺ちゃんの知り合いだと思う」
宗匠「みたいだな」
紀信「あの間は、そんな感じだよね」
凱吾「わかってます。
だから、どうやって聞き出そうか考えてます」
凱吾達は鈴嶺の微妙な間に、違和感をおぼえていたのだ。
志田「わかったら、俺にも教えてくれない?」
志田の雰囲気が、黒く染まっていた。