丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
目的地である、イタ飯店に着いた宗匠達。

鈴嶺「あれ?ここ、イタリアンのお店だよ?
ケーキは?」

宗匠「ちょっと、会ってほしい奴がいるんだ」

鈴嶺「え?会ってほしい?」
佐木「宗匠様?」


鈴嶺と佐木に返事することなく、鈴嶺の手を引き中に入る。
佐木も思わず、追いかけた。

店内をキョロキョロして、目的の人物を認めると更に歩みを進めた。

鈴嶺「宗くん!」
佐木「宗匠様、お待ちください!
ちゃんと、ご説明を━━━━━」

宗匠「待たせたな、春那(はるな)

春那「えぇ…この人?」

宗匠「あぁ。
━━━━━━俺の女!宝生 鈴嶺」

鈴嶺・佐木「え……!?」

俺の女━━━━?
鈴嶺と佐木は、思わず固まる。

春那「こんにちは」

鈴嶺「え?え?宗くん!」
佐木「宗匠様!!?何━━━━━」

宗匠「━━━ってことだから!春那、諦めてくれ!」

春那「………宝生…って…」

宗匠「そう!
宝生財閥の令嬢。
言ったろ?
幼馴染みで、ずっと一緒だったから簡単に離れられないって。
春那の入る隙はない……!」

春那「そう…ね…
…………わかったわ…」
そう言って、店を出ていった。


鈴嶺「━━━━宗くん、何なの!」

宗匠「悪かったよ…勝手に“女”だなんて言って」

佐木「しかし、こんなの…すぐにお相手様にバレますよ!?」

宗匠「大丈夫!バレてもいいし。
とりあえず、今だけやり過ごせたらそれでいい」

鈴嶺「そんな…」

宗匠「いいんだよ!
ほら!ケーキ!食いに行こ?
佐木、車回して」



カフェに移動し、店内に入る。

宗匠「━━━━何にする?」
鈴嶺にメニューを見せながら、微笑んだ。

鈴嶺「宗くん、さっきの…春那…さん?って方。
ちゃんと、正直に言わないと!」
しかし鈴嶺は、メニューを見ることなく宗匠を見ていた。

宗匠「俺は!変な期待を持たしたくないだけ!」

鈴嶺「え?」

宗匠「俺はさ。
きっと……ずっと、わかんねぇと思うんだ。愛情ってやつ。
でもそうゆうのって、逆に鈴にはわかんねぇだろ?」

鈴嶺「う、うん…」

宗匠「さっきの春那もそうだが……
“私が愛情を教えてあげる!”って言ってくる女がいて、正直……辛い…!
ほっといてほしい。
だから、手っ取り早くわからせてあげたかっただけ。
まぁ、鈴を利用したのは悪かったと思ってる。
お前は、凱吾の嫁さんなんだし。
でも、もう…そうゆうの、勘弁してほしい。
俺は愛情を知りたいなんて、これっぽっちも思ってねぇから」

鈴嶺「宗くん…」
< 41 / 141 >

この作品をシェア

pagetop