丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
鈴嶺「あ…凱くん…」
凱吾「り、鈴嶺…起きた?」

鈴嶺「あ…私、寝ちゃったんだ…
んー、凱くーん…やっと、会えたぁ」
そのまま凱吾に抱きつく、鈴嶺。

凱吾「う、うん…
…………鈴嶺、ごめん。
僕、シャワー浴びてきたいんだ」

鈴嶺「うん…」

ゆっくり離れた鈴嶺の頭を撫でる。
そして風呂場に向かった。


取り残されたような状態の鈴嶺。

鈴嶺「一緒に浴びよって言われなかったな…今日」
ポツリと呟く。

凱吾らしくないが………“とにかくこの匂いを洗い流さなければ、鈴嶺を傷つけてしまう”とそればかり頭にあり、そんな余裕がなかったのだ。


当の鈴嶺は、香水の香りはあまり気にしていない。
なぜなら、仕事日は凱吾から秘書の香水の香りがしてくるからだ。
秘書課には、住江も含めて10人の秘書がいる。
その中で、女性は8人。
なので凱吾自身の香水の香りに混じって、いつも違う香水の香りをほのかにつけて帰ってくるのだ。

当然今日の接待も、秘書もいるだろうと思っているのであまり気にしていない。


鈴嶺は、買ってきた服やバッグ等を取り出し、ソファに並べる。
その中のワンピースに着替えた。

凱吾「━━━━鈴嶺、お待たせ」
そこに、凱吾が風呂から戻ってくる。

鈴嶺「凱くん!見て~
今日、買ってきたの!」

凱吾「わ…/////可愛いな…!」

鈴嶺「ほんと?」

凱吾「うん、可愛い!」

鈴嶺「フフ…ありがとう!
あ!凱くんにも、買ってきたの!
着てくれる?」

凱吾「もちろん!ありがとう」

鈴嶺「明日のデート、私このワンピース着るから、凱くんもこれ着て行かない?」


次の日。
早速、買った服で外に出る凱吾と鈴嶺。

佐木の運転で少し足を延ばし、隣町のショッピングモールへ向かった。

凱吾の好きなブランドの服や、鈴嶺の好きなスイーツが食べられるから。

手を繋ぎ、ゆっくり歩く。
鈴嶺が「フフ…」と微笑んでいる。

凱吾「ん?鈴嶺?」

鈴嶺「フフ…幸せだから、笑いが出るの(笑)」

凱吾「そっか!
鈴嶺、可愛いな!」
鈴嶺「凱くんは、カッコいいな!」

二人、ニコニコして微笑み合っていると………

◯◯「凱吾くんと鈴嶺ちゃん?」

凱吾「え?あ…」
鈴嶺「志田さん!?」

志田「デート中?」


志田がいた━━━━━━
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