丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
佐木「━━━━では、お嬢様。
終わりましたら、ご連絡を。
いいですか?
毎回言ってますが、絶対に!お一人でお店から出てはいけませんよ?」

デパートのカフェの前で言い聞かせられている、鈴嶺。
まるで、親子のようだ。

鈴嶺「わかった!
でも、そんなに心配なら佐木も一緒にお茶しよ?」

佐木「いえ!お嬢様と一緒のテーブルにつくなんてできません!」

鈴嶺「もう…相変わらずなんだから(笑)」

店内に入り、ミルクティーを飲みながら鈴嶺はスマホを操作していた。
好きなブランドのHPを見ていると、可愛いポーチを見つける。

鈴嶺「わ…可愛い~
欲しいなぁ~
……………
……行っちゃおうかな!」

そのブランドの店は、今鈴嶺がいるデパートの五階にある。


“絶対に!お一人でお店から出てはいけませんよ?”


鈴嶺「………
………よし!行っちゃおう!」

もう欲しい物は、決まっている。
買ってすぐに下りてくれば、問題ないだろう。

鈴嶺は店を出て、デパートの五階に向かった。


鈴嶺「わー、やっぱ、実物も可愛い!」
早速購入し、カフェに戻ろうと下りのエレベーターに乗り込む。

鈴嶺一人だけで、扉が閉まりだす。
階数のボタンを押そうとしていると………

でも━━━━閉まりきる寸前に、ガン!!と手が挟まってきた。

鈴嶺「え……」

扉が開き、男が入ってきた。

◯◯「やっぱ、鈴嶺ちゃんだ!」

鈴嶺「え?あ…」

男は、志田の部下の江原だった。

江原「ヤバ…/////
くそ可愛いんだけどー////」

密室のエレベーター内。
階数ボタンは押されてない為、止まったままだ。
ジリジリと江原が近寄ってくる。


それに合わせて鈴嶺は、後ずさった。

でもすぐに、壁に追い詰められる。
江原が壁に手をつき閉じ込めてきたため、鈴嶺は益々動けなくなる。

鈴嶺「は、離…てくださ…」
あまりの怖さに、弱々しい声しかでない。

怖い…怖い…怖いよ…
凱くん、助けて…!!

江原「ねぇねぇー、触っていーい?」

鈴嶺「え?」

江原「……って、触っちゃったー(笑)
頬、柔らかっ!
口もぷにぷにしてる~」

鈴嶺の頬や口唇に触れ、顔を寄せてくる。
煙草と酒の匂いが、江原から漂ってきた。

鈴嶺「や…やだ……」

江原「ねぇー、チューしてい?」
鈴嶺「え……」

完全に酔っぱらっている、江原。
鈴嶺に更に顔に近づけてきた。
< 50 / 141 >

この作品をシェア

pagetop