丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
嫌…嫌…嫌…!!
嫌━━━━━━

鈴嶺「嫌っ!!!?」

ドン!!と江原を突き飛ばす。
しかし━━━━

江原「━━━━もしかして、これで抵抗してるつもりなのー?(笑)」

パシッとその手を掴まれた。
そしてそのまま、壁に押しつけられた。

鈴嶺「━━━━━!!!?」

江原「俺さー、抵抗されんの、スゲー興奮すんだよねぇ~!」

鈴嶺「嫌!!離し━━━━━」

江原「ほんっと、くそ可愛いね!
その泣き顔、震えてる身体、声まで可愛いー
大丈ー夫!
チューだけさせてくれたら、離してやるからー」

江原の顔が近づき、押しつけるように口唇が重なってきた。

鈴嶺「んー!んー!んー!」

気持ち悪い……
吐き気がする。

やだ、やだ、やだ……離して……助けて、助けて凱くん━━━━━━

必死に抵抗するが、びくともしない。


口唇を離した江原は、逆にうっとりしていた。

江原「どうしよーヤりたくなってきたー」

そう言うと、今度はスカートの裾から手を滑らせようとしてくる。

鈴嶺「やだ!!も…やめて……!!
凱くん助けて!!」

そこでやっと、エレベーターが動き出した。
そして、四階ですぐに止まった。

扉が開いてすぐ、鈴嶺は「助けて!!」と叫んだのだった。


佐木「━━━━お嬢様!!!」
佐木が焦ったように駆けつけてくる。

鈴嶺は四階のエレベーター横のベンチ式の椅子に腰かけていた。

鈴嶺「あ…あ…佐木…!!」
佐木に抱きつく。

佐木「もう大丈夫ですよ!
大丈夫…大丈夫…」
ゆっくり背中をさする佐木の手に、やっと落ち着きを取り戻した鈴嶺。

佐木に支えられながら、自宅マンションに帰った。



リビングのソファに座っている鈴嶺の足元に跪き、震える鈴嶺の手を包み込むようにして見上げる佐木。

佐木「━━━━━━お嬢様、ゆっくりで構いません。
何があったか、教えていただけますね?」

鈴嶺「志田…さ…の、部下の方…」

佐木「志田様の?
…………ということは、赤王組の組員の方。
その方に何をされたのですか?」

鈴嶺「き…」
佐木「き?」

鈴嶺「キス…され、た……」


佐木「は━━━━?」
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