丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
後日。

鈴嶺「━━━━宗くーん!」
宗匠にランチに誘われ、待ち合わせ場所に現れた鈴嶺。
パタパタ…と宗匠に駆け寄る。

宗匠「オセーよ」

佐木「宗匠様、遅くなって申し訳ありません!」

鈴嶺「ごめんね、なかなか━━━━━」
宗匠・鈴嶺「お洋服が決まらなくて!」

鈴嶺「え?」

宗匠「エスパーじゃねぇよ?
なんとなく、そんな気がしただけ」
目をパチパチしている鈴嶺に微笑んだ。

鈴嶺「フフ…さすが、宗くんだ!」
そんな鈴嶺も微笑む。

宗匠「でも洋服が決まらないって、お洒落してくれたっつうこと?」

鈴嶺「え?」

宗匠「何着てこうか、悩んでくれたんだろ?」

鈴嶺「へ?お洒落というか…やっぱ、人に会うんだし、きちんとしないと!」

宗匠「……ふーん」

鈴嶺「え?宗くん?」

宗匠「いや、何もない。
ほら、行くぞ!」
顔を覗き込んでくる鈴嶺の手を掴み引いた。


席に通され、向かい合って座る。
宗匠「鈴、何にする?」

鈴嶺「うーん…」
メニューとにらめっこしている、鈴嶺。

宗匠「………」
鈴嶺「……んー」

宗匠「……はぁ…鈴!」
なかなか決められない鈴嶺に、ため息をつく。

鈴嶺「え?」

宗匠「いつもは、どうしてんの?
凱吾とのデートん時」

鈴嶺「うーん…凱くんが“一緒に食べよ!”って言って、選んでくれるの~!」

宗匠「シェアするっつうこと?」

鈴嶺「うん!」

宗匠「へぇー
フフ…凱吾が“シェア”って…(笑)
似合わねぇ~(笑)」

鈴嶺「そうかな~?」

宗匠「あいつが、飯を人と別けて食うキャラだと思う?」

鈴嶺「うーん…」

宗匠「あ!つか!その凱吾には、ちゃんと許可得てんだろうな?今日のランチ」

鈴嶺「うん!佐木がね。ちゃんと報告してからにしましょうって言ったから、凱くんに連絡して出てきたよ!」

宗匠「何て言ってた?」

鈴嶺「んー、最初はね。ダメ!!って言われたの。
でも、お願いしたら“いいよ”って言ってくれたの!」

宗匠「フッ…結局、凱吾は鈴の“お願い”には敵わねぇもんなぁー(笑)」


結局宗匠が決めて、シェアすることにした二人。
料理が来て、鈴嶺が取り分けた。

鈴嶺「はい!宗くん!」
宗匠「ん。サンキュ」

鈴嶺「いただきます!
…………んんっ…熱っ!!?」
宗匠「鈴!?
…………ほら!水!!」


鈴嶺「……ん…ありがとう…
ふぅー、熱かったぁー」
水をゴクッと飲み、舌を少し出してパタパタ扇ぐ。
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