丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
杏樹「━━━━今日は、色々ごめんね。
同伴してくれた上に、あんな………」
紀信の帰りを、店の前まで見送っている杏樹。
紀信に頭を下げる。
紀信「ううん。大丈夫!
ほら、おばさんだってきっと……
本当は志田さんとのこと思うところがあるんじゃないかな?」
杏樹「普段は何も言わないんだけど、酔っ払うとね……」
あれから杏樹母は、紀信にしきりに“杏樹をもらって?”と言い寄っていたのだ。
紀信「そりゃあ、不倫を喜ぶ親はいないと思うよ?
でも杏樹は“そうゆうのも全部”受け止める覚悟で志田さんと付き合ってるんでしょ?」
杏樹「えぇ、もちろん!」
紀信の言葉に、杏樹はしっかり頷いた。
紀信「━━━━━じゃあね、杏樹」
小さく手を振り、去ろうとする紀信。
杏樹も小さく手を振った。
杏樹「うん、ありが━━━━━え……!?」
微笑んでいた杏樹の動きが、ピタリと止まった。
紀信「ん?杏樹、どうし━━━━━
え?志田…さん…?」
杏樹の視線の先に、志田がいた。
志田は女性といて、しかもその女性は志田に抱きついていた。
更に、志田がその女性の頭を撫でていたのだ。
杏樹「…………紀信、ごめん。
今日は、ほんとにありがと。
じゃあね」
切なく瞳を揺らし、逃げるように店に入ろうとする杏樹。
紀信「杏樹!!」
そんな杏樹の背中に、紀信は呼びかけた。
杏樹「何?」
背中を向けたまま返事をする。
紀信「僕、まだ飲み足りないんだ!
仕事終わったら、飲みに付き合ってよ!」
杏樹「………」
紀信「ほら!同伴、付き合ってあげたでしょ?
今度は、僕に付き合ってよ!」
杏樹はゆっくり頷き“ありがと”と呟いて店に入った。
杏樹の店が終わったタイミングで、紀信が迎えに行く。
紀信「行こう!」
杏樹「えぇ…」
紀信「僕が行ってるところでいいかな?」
杏樹「うん」
紀信がよく行く居酒屋に向かう。
カウンターの席に並んで座る。
紀信「ここの玉子焼、美味しいんだよ?
食べよ?」
杏樹「うん」
紀信「どう?」
杏樹「美味しい…」
紀信「でしょ?(笑)」
杏樹「………」
紀信「………」
杏樹「………」
賑やかな店内。
紀信と杏樹は沈黙していた。
紀信「……ごめんね」
杏樹「………は?なんで、紀信が謝んの?」
急な謝罪の言葉に、目をパチパチする。
紀信「こうゆう時、どうやって慰めたら良いかわからない……」
杏樹「フフ…」
今度は、噴き出したように笑う。
紀信「え?」
杏樹「じゃあ、なんで誘ったの?
ほっておけばいいのに……(笑)」
紀信「だって、ほっておけなかったし…」
杏樹「フフ…ほんと、良い男!」
紀信「もう…からかってるでしょ?
酷いなぁ~(笑)」
苦笑いの紀信。
そんな紀信に、杏樹は…………
紀信「え━━━━━」
杏樹「少しだけ…このまま……」
紀信の肩に、頭を預けるように乗せていた。
同伴してくれた上に、あんな………」
紀信の帰りを、店の前まで見送っている杏樹。
紀信に頭を下げる。
紀信「ううん。大丈夫!
ほら、おばさんだってきっと……
本当は志田さんとのこと思うところがあるんじゃないかな?」
杏樹「普段は何も言わないんだけど、酔っ払うとね……」
あれから杏樹母は、紀信にしきりに“杏樹をもらって?”と言い寄っていたのだ。
紀信「そりゃあ、不倫を喜ぶ親はいないと思うよ?
でも杏樹は“そうゆうのも全部”受け止める覚悟で志田さんと付き合ってるんでしょ?」
杏樹「えぇ、もちろん!」
紀信の言葉に、杏樹はしっかり頷いた。
紀信「━━━━━じゃあね、杏樹」
小さく手を振り、去ろうとする紀信。
杏樹も小さく手を振った。
杏樹「うん、ありが━━━━━え……!?」
微笑んでいた杏樹の動きが、ピタリと止まった。
紀信「ん?杏樹、どうし━━━━━
え?志田…さん…?」
杏樹の視線の先に、志田がいた。
志田は女性といて、しかもその女性は志田に抱きついていた。
更に、志田がその女性の頭を撫でていたのだ。
杏樹「…………紀信、ごめん。
今日は、ほんとにありがと。
じゃあね」
切なく瞳を揺らし、逃げるように店に入ろうとする杏樹。
紀信「杏樹!!」
そんな杏樹の背中に、紀信は呼びかけた。
杏樹「何?」
背中を向けたまま返事をする。
紀信「僕、まだ飲み足りないんだ!
仕事終わったら、飲みに付き合ってよ!」
杏樹「………」
紀信「ほら!同伴、付き合ってあげたでしょ?
今度は、僕に付き合ってよ!」
杏樹はゆっくり頷き“ありがと”と呟いて店に入った。
杏樹の店が終わったタイミングで、紀信が迎えに行く。
紀信「行こう!」
杏樹「えぇ…」
紀信「僕が行ってるところでいいかな?」
杏樹「うん」
紀信がよく行く居酒屋に向かう。
カウンターの席に並んで座る。
紀信「ここの玉子焼、美味しいんだよ?
食べよ?」
杏樹「うん」
紀信「どう?」
杏樹「美味しい…」
紀信「でしょ?(笑)」
杏樹「………」
紀信「………」
杏樹「………」
賑やかな店内。
紀信と杏樹は沈黙していた。
紀信「……ごめんね」
杏樹「………は?なんで、紀信が謝んの?」
急な謝罪の言葉に、目をパチパチする。
紀信「こうゆう時、どうやって慰めたら良いかわからない……」
杏樹「フフ…」
今度は、噴き出したように笑う。
紀信「え?」
杏樹「じゃあ、なんで誘ったの?
ほっておけばいいのに……(笑)」
紀信「だって、ほっておけなかったし…」
杏樹「フフ…ほんと、良い男!」
紀信「もう…からかってるでしょ?
酷いなぁ~(笑)」
苦笑いの紀信。
そんな紀信に、杏樹は…………
紀信「え━━━━━」
杏樹「少しだけ…このまま……」
紀信の肩に、頭を預けるように乗せていた。