丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
鈴嶺「━━━━凱くーん、おかえりなさーい!」
凱吾「フフ…ただいま!可愛い、鈴嶺」

帰ってきた凱吾を出迎える、鈴嶺。
パタパタと駆けてくる鈴嶺を抱き留めて、包み込んだ。

鈴嶺「フフ…お弁当、どうだった?」

凱吾「凄く美味しかったよ!」

鈴嶺「ほんとに?お手紙読んだ?
本音で言って?」

凱吾「本当に、美味しかったよ!
鈴嶺、腕上げたね!」

鈴嶺「良かったぁ…
今まで、無理をさせてごめんね」

凱吾「そんなの、気にしないで?
鈴嶺が作ってくれたことが、重要なんだよ?」

鈴嶺「うん!ありがとう、凱くん!」
微笑む鈴嶺に、顔を近づける凱吾。
自然と鈴嶺も目を瞑ろうとする。

すると━━━━━━

◯◯「………っほん!!」
と咳払いが響いた。

鈴嶺「え?
━━━━━す、住江さん!!?」

住江「……//////」
住江が赤い顔をして見ていた。

鈴嶺「もう!/////凱くん!
住江さんがいるなら、そう言ってよ!!」

凱吾「だって僕は、鈴嶺のことしか考えてないし」

鈴嶺「もう…
でも、住江さんどうしたの?」

住江「お弁当、とても美味しかったです!
ちゃんとお会いしてお礼を言いたかったので、凱吾様にご同行させて頂きました!」

鈴嶺「そんな…わざわざ、ありがとう!
…………あ!じゃあ、夕食も食べて帰る?」

住江「え!?」
凱吾「は?」

あからさまに凱吾の機嫌が悪くなる。

それを肌で感じた住江。
住江「いえ!
お気持ちだけ、頂きますね!
ありがとうございました!
では、僕はこれで失礼しますね!
凱吾様、お疲れ様でした!」

丁寧に頭を下げ、去っていった。



そんなある日━━━━━━━

凱吾と鈴嶺は映画に向かった為、佐木は時間を潰すため近くを歩いてプラプラしていた。

佐木「━━━━━ん?住江さん?」

住江が、不動産会社から出てきた。

住江「あ!佐木さん!?こんにちは!」

佐木「こんにちは!
お引っ越しですか?」
店を見て言った。

住江「え?あー、実は僕が今住んでるマンションの上の階から水漏れして……」
佐木「それは、災難ですね……」

住江「もう……水浸しで……
とてもじゃないけど、住める状態じゃなくなったんです。
まぁ…どっちにしても、引っ越しは考えてたんで引っ越すのはいいんですが……
今、なかなか部屋が空いてなくて…」
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