丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
そして帰りの宗匠達。
雷太「良かったな!」
束茶「鈴嶺ちゃんの存在、スゲーな!」
宗匠「………」
紀信「………」
雷太「宗匠?」
束茶「紀信もどうした?」
宗匠「いや、なんか……」
紀信「妙に、呆気なかったなって」
雷太・束茶「は?」
宗匠「確かに、凱吾は“鈴のためなら”意見を変えたりする奴だ」
紀信「でも今回みたいなのって、絶対受け入れないはずなんだ。
だってあの人達、営業妨害してたし、何より凱吾の胸ぐら掴んでたでしょ?
凱吾って、自分の中で他人が“踏み込んでいい領域”っていうのがあって、それを土足で踏み込まれることを凄く嫌うんだ」
宗匠「鈴だけ。
凱吾に踏み込んでいい人間は。
俺達や両親でさえも、嫌がる」
雷太「………で、でもよ!
凱吾、俺達の前で会社の奴に連絡してたじゃん!」
束茶「そうそう!
だから、二人の思い過ごしだよ、きっと!」
宗匠・紀信「だったら、いいけど……」
一方の凱吾。
凱吾「━━━━━じゃあ、住江。頼む」
住江『はい』
スマホを操作し、住江との通話を切る。
凱吾「はぁ…
めんどくさい。
宗匠達も、余計なことをしてくれたもんだな…
これじゃ、二度手間だ!」
そう。
宗匠と紀信の言っていた通り、凱吾が受け入れるわけがない。
再度住江に連絡し、あの二人の男性は会社を退職に追いやられた。
コンコンとノックが響いて、遠慮がちの鈴嶺の声が聞こえてくる。
鈴嶺「………凱くん、凱くん」
凱吾は深呼吸をして、雰囲気を柔らかくする。
そしてドアに向かった。
凱吾「ごめんね、鈴嶺」
鈴嶺「電話、終わった?」
凱吾「うん、終わったよ!」
鈴嶺「じゃあ、今度は私が凱くん独り占めしていい?」
凱吾「うん、もちろん!」
両手を広げると、鈴嶺が嬉しそうに抱きついた。
凱吾も抱き締めると「僕も、独り占めしたい…」と呟いた。
もう、誰の目にも触れさせないように………
そうすれば、宗匠達との関係も絶つことができる。
そうすれば“余計な言葉を”鈴嶺の耳に入れずに済む。
そうすれば、鈴嶺は“僕だけを”信じて、頼って、依存してくれる。
“羽柴 凱吾には手を出すな”
雷太「良かったな!」
束茶「鈴嶺ちゃんの存在、スゲーな!」
宗匠「………」
紀信「………」
雷太「宗匠?」
束茶「紀信もどうした?」
宗匠「いや、なんか……」
紀信「妙に、呆気なかったなって」
雷太・束茶「は?」
宗匠「確かに、凱吾は“鈴のためなら”意見を変えたりする奴だ」
紀信「でも今回みたいなのって、絶対受け入れないはずなんだ。
だってあの人達、営業妨害してたし、何より凱吾の胸ぐら掴んでたでしょ?
凱吾って、自分の中で他人が“踏み込んでいい領域”っていうのがあって、それを土足で踏み込まれることを凄く嫌うんだ」
宗匠「鈴だけ。
凱吾に踏み込んでいい人間は。
俺達や両親でさえも、嫌がる」
雷太「………で、でもよ!
凱吾、俺達の前で会社の奴に連絡してたじゃん!」
束茶「そうそう!
だから、二人の思い過ごしだよ、きっと!」
宗匠・紀信「だったら、いいけど……」
一方の凱吾。
凱吾「━━━━━じゃあ、住江。頼む」
住江『はい』
スマホを操作し、住江との通話を切る。
凱吾「はぁ…
めんどくさい。
宗匠達も、余計なことをしてくれたもんだな…
これじゃ、二度手間だ!」
そう。
宗匠と紀信の言っていた通り、凱吾が受け入れるわけがない。
再度住江に連絡し、あの二人の男性は会社を退職に追いやられた。
コンコンとノックが響いて、遠慮がちの鈴嶺の声が聞こえてくる。
鈴嶺「………凱くん、凱くん」
凱吾は深呼吸をして、雰囲気を柔らかくする。
そしてドアに向かった。
凱吾「ごめんね、鈴嶺」
鈴嶺「電話、終わった?」
凱吾「うん、終わったよ!」
鈴嶺「じゃあ、今度は私が凱くん独り占めしていい?」
凱吾「うん、もちろん!」
両手を広げると、鈴嶺が嬉しそうに抱きついた。
凱吾も抱き締めると「僕も、独り占めしたい…」と呟いた。
もう、誰の目にも触れさせないように………
そうすれば、宗匠達との関係も絶つことができる。
そうすれば“余計な言葉を”鈴嶺の耳に入れずに済む。
そうすれば、鈴嶺は“僕だけを”信じて、頼って、依存してくれる。
“羽柴 凱吾には手を出すな”