黒百合と罪
そんなことを思っていたらクレープの移動販売車を見つけた。

「ましろ!クレープ食べない?」

私が誘う前にあすが声をかけてくれた。
私は笑って承諾する。彼女も嬉しそうにしてて、かわいい。
そうと決まればメニューを見よう。車の近くに置いてあったパンフレットを手に取り、それに載っているメニューを眺めた。

三種のベリークレープ…いちごバナナチョコ…アイスキャラメル…
どれも美味しそう。でもアイスが乗っているクレープは雪が積もった道を見てナシだと思った。
だったらいちごバナナチョコとかの方がいいかな。
それともキャラメルブラウニー…
優柔不断で決められないのが自分の悪いところだな。

「私、決めた!アイスいちごチョコにする。」

あすは、もう決めたのかと思いきや私がさっきナシだと思ったアイス系のクレープを選んだ。

「え…あ……それ、大丈夫…?」
「なにが?」

無邪気な目をして聞いてくる彼女はどう切り取っても嬉しそうにしているから言うに言えない。
そして絞り出した言葉は…

「えっと…凍える……とか?」

これしか言えないのか、私は。
他にもっとあっただろうと自分を責めてしまう。

「ふっ……」

私の言葉が面白かったのかあすは笑い出す。

「ええ…?ちょっと笑わないでよ。」
「いや、だって…」

笑いが収まらないのか顔が少し赤くなっている。
雪で気温が低いせいもあるのだろうが。
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