本気で"欲しい"と思った。〜一途なエリートドクターに見染められました〜
「私、昨夜寝ちゃったみたいで……」
「うん。ちょっと飲ませすぎちゃったみたい。ごめんね」
「いえ、謝らないでください。和音さんは悪くないです」
昨夜の記憶が曖昧な由麻。
起き上がった和音は由麻を気遣うようにソファに座らせ、コーヒーを淹れてマグを渡す。
それをありがたく受け取った由麻は、一口飲んだ後に家族に何も言っていないことを思い出した。
「……あ!家に連絡忘れてた……」
どうしよう、と慌てる由麻はすぐに家に電話を掛けようとする。
「あぁ、昨夜勝手にご両親に連絡しちゃったんだ。だから大丈夫だよ」
「え!そうだったんですか?……何から何まで、すみません」
「ううん、気にしないで」
自分が寝ている間に全て解決していた事実に驚きを隠せない。
落ち込む由麻に、和音は声を掛ける。
「由麻ちゃん、今日お休みなんだって?」
「あ、はい」
「俺も実は休みなんだ。良かったら今日、一日デートしない?」
「え、いいんですか?」
「もちろん」
「でもまずは着替えたいだろうから、一回帰る?」
「……そうします」
由麻は一度自宅に帰ってから、再び和音と待ち合わせすることにした。