本気で"欲しい"と思った。〜一途なエリートドクターに見染められました〜



中に入ると広々としたラウンジがあり、座り心地の良さそうなソファとガラステーブルが並ぶ。そこを抜けるとフロントがあり、二十四時間常駐のコンシェルジュがいるようだ。


三十代後半くらいだろう、男性のコンシェルジュに和音が名前を言うとすぐに案内してくれると言う。


エレベーターに乗り込み向かった先は十階。


レトロな音を聞きながら降りると、目の前には再びラウンジのような空間が広がる。


開放的な大きな窓。そこからは都内が一望できた。


その光景がよく見えるようになのか、窓を向くように置かれた一人用ソファとミニテーブル。



「こちらです。ご案内いたします」



もう少し景色も見てみたい気持ちをどうにか抑えてコンシェルジュに付いて行くと重厚そうな扉があり。


どうやら鍵の解除は暗証番号と指紋で認証するらしい。万全のセキュリティだ。


1001と書いてあるドアを潜り抜けると、そこは別世界のような豪華な空間だった。


床は全面大理石。ウォークインのシューズクロークはストックルームも兼ねているのか、広々としており収納力抜群。


玄関の向こうはすぐにリビングダイニングで、三十畳以上はありそうな空間に二人掛けソファが二つとプライベートチェアが二つ。そして大きなガラステーブルのみが置かれていた。


なんて贅沢な使い方なのだと驚きを隠せない。


ダイニングテーブルは無く、対面式のこれまた大理石で出来たキッチンが目を引く。


壁掛けのテレビは80インチは優に超えているであろう、威圧感さえあるくらいの大きさだった。

< 58 / 65 >

この作品をシェア

pagetop