死体写真
☆☆☆

その日、私は加菜子の家に泊まることにした。


呪いの力は24時間だから、その間には水に近づかないことに決めた。


今日はお風呂も我慢だ。


24時間を超えれば呪いの力は消えるはずだから、それまで部屋からも出ないようにする。


トイレのときだけは、私が付きそうことになった。


トイレは水を使う場所だから、本当は行ってほしくないのだけれど、さすがにそういうわけにはいかない。


「加菜子の両親がいないのは都合がよかったね」


ひとつの部屋に並べて布団をしいて、私の右側に加菜子が横になっていた。


電気はすでに消していてオレンジ色の常夜灯だけが光っている。


「そうだね」


加菜子の返事は短い。


どのタイミングで自分が死んでしまうかわからない状況だから、無理もなかった。


取り乱して暴れたりしないだけ、私も安心だ。


「眠れない?」


時刻はすでに夜中の1時を過ぎている。


普段ならとっくに眠っている時間帯だけれど、隣の加菜子は目を開いて天井を見上げていた。
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