死体写真
私に対しての言葉だと受け取ったため、咄嗟にそう返事をして頭を下げる。


加菜子の母親に呪いメールの話なんてしても信じてもらえないだろうから、ここはひたすら謝るしかない。


そう思っていたのだが……。


ターゲットになっていたのは加菜子だった。


「あんた、どうして学校行ってないの!?」


優しい笑顔をたたえたまま、母親が加菜子の髪の毛を鷲掴みにした。


加菜子が痛みで顔をしかめる。


「いつまで家にいるつもりなの!?」


「痛いよお母さん!」


加菜子は必死に母親の手を振り払おうとしているけれど、ビクともしない。


「早く学校へ行きなさい!」


加菜子の髪の毛を掴んだまま大股でリビングを出て玄関へ向かう。


「ちょ、ちょっと待ってください! まだ投稿時間になっていません!」


慌てて止めに入るけれど、空いている方の手で突き飛ばされてしまった。


それは信じられないほどの力で、私の体は廊下の端へとふっとばされた。


背中を強打して一瞬呼吸ができなくなる。


目の前が真っ白になりそうなのをどうにかこらえて、立ち上がった。


玄関が開かれて、加菜子が無理やり外へ連れ出されるところだった。


「待って!!」
< 104 / 155 >

この作品をシェア

pagetop