死体写真
☆☆☆
こんなに朝早くから動き回ることがなんて、小学校の夏休みでラジオ体操をしたとき以来かもしれない。
SNSの女子高生、ランとはすぐに連絡がついた。
今すぐに会えないからと伝えてみると、今日は学校があるけれど、そっちの方が面白そう。という返事をもらった。
こちらのことを少しも警戒していないようだけれど、大丈夫だろうか。
一抹の不安を感じながらも約束した隣街のファミレスに到着した。
それをランに伝えると《私もすぐに到着する》と返事があった。
ものの5分もしない内に私服姿の女の子がファミレス内に入ってきて、伝えておいた窓際の席へとやってきた。
「はじめまして、ランです」
白いTがシャツにジーンズ姿の少女を見てひとまず胸をなでおろす。
変なオヤジが女子高生になりきって投稿していたわけではなかったようだ。
「私は結。こっちは裕之だよ。隣町の飯沢高校2年生です」
同い年と言えど初対面で、少し緊張する。
「私に連絡してきたってことは、あなたたちにメールが届いた?」
ドリンクバーで炭酸飲料を入れてきたランは一気にそれを半分ほど飲み干して聞いてきた。
「いや、俺たちじゃない。だけど、友達に送られてきてる」
「そっか。じゃあ時間の問題だね」
ランはどこか楽しげに言う。
まるで遊びの予定を立てる子供みたいな無邪気な顔に、眉間にシワを寄せた。