死体写真
それが本当だとすれば巧妙なやり口だと思う。


メールで呼び出して、従えば軽症。


従わなければ重症。


彼女は軽症ですませるためにどれだけの罵倒メールを呼んできたのだろう。


もしかしたら呼び出しメールとは、彼女にすべてのメールを読ませるために始まったことなのかもしれない。


話を聞く度に胸糞が悪くなってくる。


「自殺した子の呪いだとすれば、どうすれば開放されるんだ?」


問題はそこだった。

呪いの根源はわかったから、それを取り除かないといけない。


一瞬悪魔祓いや除霊師と行った言葉が浮かんできたけれど、知り合いにそんな人はいないし、すぐに動いてくれるともわからない。


加菜子のタイムリミットはすぐそこまあで迫ってきているのだ。


「それはわからない。だけど、彼女のお墓なら知ってる」


ランがそう言いながらスマホを操作してなにかを表示させた。


「死んだのは石橋イオリ。お墓まで連れて行こうか?」


そう言ってスマホ画面を見せてくる。


画面に表示されていたのは、アコの葬儀のときに見たあの隣街の少女だった……。
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