死体写真
☆☆☆

信じられないかもしれないけれど、写真の少女をアコの葬儀で見たことがある。


お墓までの道のりでそう説明するとランは目を見開いて嬉しそうに笑った。


「そっか。自分の呪いがついに隣町の飯沢高校にまで広がったから、それを確認してたのかな」


ランの声色は終始楽しげで、なんだか複雑な気分になる。


どうしてランはこの話をするときにこんなに元気そうなんだろう。


「ねぇ、ランの友達も沢山死んだんだよね?」


「うん、そうだね」


ランはなんでもないように頷く。


「呪いのせいだったんだよね?」


「そうだよ。だけどイオリは生きた人間のせいで死んだ。それが、なに?」


急に強い声音に変わり、ランの表情が険しくなる。


「……もしかしてランの一番の親友はイオリだった?」


裕之が気がついたように聞く。


ランは険しい表情のまま頷いた。


「そうだよ。イオリが一番の親友だった。相談にもよく乗ってた。私だけは絶対にイオリを守るって決めてた」


でも……。


と、一旦口ごもる。


「いつもどおりイオリから相談を聞いてたときに、偶然他の生徒に聞かれてたの。人の気配がして振り向いたけれど、そこにはもう誰もいなくて……。その日のうちに相談内容がイオリのメールに送られてきたみたいで、次の日からイオリは私に相談することもなくなった」
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