死体写真
いくら自分じゃないと言っても無駄だったと言う。


不特定多数。


しかも百人に登る生徒からメールを受け取っていたイオリはついに誰のことも信じられなくなった。


学校内で完全に孤立してしまったのだ。


「それからなの。イオリは鬱っぽくなっておかしくなっていったのは」


まるで自分の責任だと言うようにランは下唇を噛み締めた。


「私があのときもう少し注意して周りを見ていれば、こんなことにはならなかったのに」


「それは違うよ! ランは悪くない!」


思わず口走った。


今までの話を聞けばわかる。


ランは本当にイオリの味方だったに違いない。


結果は残念なことになったけれど、イオリだってわかっていたのではないだろうか。


ただ、イジメを養護すれば養護した人間が次のターゲットになる。


相手なんて誰でもいい。


ターゲットが1人いればそれでいい。


だからイオリは自分からはられたんじゃないだろうか。


私はそう考えたかった。
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