死体写真
最初にターゲットになったのはイオリをイジメていた中心人物だったという。


その生徒が死んだ後、スマホのアドレスに入っていた番号に次々と同じメールが送られてきた。


そのどれもがイジメに深く関与していた生徒たちばかりだったため、ランはこれがイオリの言っていた呪いのメールだと確信したのだと言う。


しかし、今では全く無関係の人間にまで送られてくるようになっている。


「最初に呪いだと気がついたときに、どうして回避方法を伝えなかったんだよ! そうすれば、ここまでの被害者はでなかったかもしれないだろ!」


「できなかったの!」


裕之のど号をかき消す声だった。


一瞬辺りが騒然となる。


コンビニから出てきた客が何事かと足を止めてこちらへ視線を投げかけて、またあるき始める。


「呪いの回避する方法は1つしかない。届いたメールに返信をすること」


ランの声が静に響く。


私は無言で次の言葉を待った。


「メールで返信できる条件も、ただ1つ。自分に届いた死体写真と同じ死体を作り、それを撮影して、添付すること」


空いた口が塞がらなかった。


呪いを回避する方法はわかったが、本当だろうか?


死体写真と同じ死体をつくる。


そしてその写真を撮影し、添付して送り返す……。


「はっ」
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