死体写真
「体調が悪いから、今日は休む」


布団を頭までかぶってどうにかやり過ごそうとする。


母親は大きくため息を吐き出して「明日には学校に行きなさいよ」と言って部屋を出ていった。


足音が遠ざかるのを聞いてホッと息を吐き出し、布団から顔を出した。


この分じゃ明日には無理矢理にでも学校に行くことになりそうだ。


裕之とどんな顔をして会えばいいんだろう。


呪いメールなんてなかったときには、毎日裕之と会える学校が大好きだったのに。


あのメールのせいで私達の人生は壊れてしまった。


今日もまた誰かのスマホに呪いのメールが届いているかもしれないと思うと胃の奥がズッシリと重たくなる感覚があった。


あの事故があってから食べ物もロクに食べていないし、自分自身の体力も限界が近いのかもしれない。


少しくらいなにか食べようとベッドから抜け出したとき、テーブルに置いてあるスマホが光っていることに気がついた。


そういえば今日は起きてからまだスマホを確認していない。


もしかしたら裕之から連絡があったかもしれないと淡い期待をしながら画面を確認する。


しかし画面を見た瞬間私は氷ついていた。


サーッと音がして全身から血の気が引いていく。


キーンと耳障りな耳鳴りが聞こえてきて、ゴトンッと音がしたことでスマホを床に落としてしまったことに気がついた。
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