死体写真
周囲を確認してみても、さっきまでの声の主はどこにもいない。


あるのは隣の空のベッドのみだ。


私は大きく息を吐き出した。


目の前で裕之が死んだことのショックでしばらく入院することになったことを思い出す。


点滴はストレスで全く食べられなくなったことで、栄養を入れられているのだ。


私は目を閉じて深く呼吸を繰り返す。


結局生き残ったのは私だけ。


これから先どうすればいいのか検討もつかない。


裕之が自殺をしたあと、担任教師や警察の人に呪いのメールについて説明したが、当然のように信じてもらうことはできなかった。


それでもイオリの呪いはまだ続いている。


電波を使って、登録されているアドレスに飛んでいく。


どこかでスマホが震える音がした気がして、目を開けた。


院内はスマホ使用禁止だから、病室内で聞こえるはずがない。


きっと私の勘違いだ。


そして、また目を閉じてまどろみはじめる。


今度こそ、みんなの夢を、幸せな夢を見れますように。


スマホのバイブ音はどこからか、ずっとずっとなり続けていたのだった。




END


< 155 / 155 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:71

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

あの子の成績表

総文字数/57,316

ホラー・オカルト136ページ

表紙を見る
過去夢の少女

総文字数/67,290

ホラー・オカルト186ページ

表紙を見る
呪いで恋愛成就します!

総文字数/27,284

恋愛(キケン・ダーク)59ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop