死体写真
☆☆☆

「はぁ、怖かった」


近くのコンビニまで逃げてきて、加菜子が大きく息を吐き出した。


その顔は青ざめている。


「チッ。なにも聞き出せなかったな」


和は不服そうな顔をしている。


あのまま校内にとどまっていたらさっきの生徒と喧嘩になっていたかもしれない。


無理矢理にでも連れだして正解だった。


「でも、栗原さんっていう名字はわかったよね」


○○高校2年3組に在籍していた栗原さん。


これだけの情報があれば、どうにか家を突き止めることができそうだ。


さっそくスマホでそれらの情報を入力して検索にかける。


真っ先に出てきたのは○○高校の自殺者についての記事だった。


それに目を通してみるけれど、栗原という名字は出てこない。


きっと、自殺と断定されたわけではないからだろう。


それならもっと広範囲に、○○高校全体の記事を探し出せばいい。


そう思って検索画面へ戻ったとき、足音が近づいてきて顔をあげた。


「あの……」
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