死体写真
その点メッセージアプリはメッセージ特化しているだけあって不具合が少ない。


「特になにもないな……」


横から私の手元を覗き込んでいた和がつぶやく。


もちろん呪いのメールを探しているのだけれど、2ヶ月前までさかのぼって確認してみても、それらしいメールはない。


「もしかして、あの気味の悪いメールを探しているの?」


女性の言葉に私は画面から顔をあげた。


「知ってるんですか?」


女性は小さく頷く。


「アキナがあまりにも怯えてたから、こっそりスマホを確認してみたの。そしたら気持ち悪い写真が送られてきていたのよ。アキナはきっとこの写真を見て死ぬのが怖いとか、自殺させられるとか言うようになったんだって思って、すごく腹が立ったのよ」


「それで、そのメールはどうしたんですか?」


あのメールは1度消してもまた送信されてくる。


しかし、アキナちゃんのスマホにはメールは残されていない。


アキナちゃんが死んだ後に女性が消したのだろうか。


「わからないのよ。いつの間にか消えていたから」


その言葉に背筋がゾッと寒くなった。

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