死体写真
「あぁ、大丈夫だ」


返事をするものの、やっぱり落ち着きがない。


アコが死んでから、和はずっとこの調子だ。


初日は意気消沈していたけれど、呪いのメールが電波を通して自在に行き来しているかもしれないとわかると、まるで誰かに見張られているかのような落ち着きのなさになった。


次にメールが届くのは自分かもしれない。


そんな不安は私の中にもあった。


アコのスマホには当然私のアドレスも登録されていたし、いつ呪いのメールのターゲットになるかわからない。


「色々調べてみたけど、なんか変なんだよな」


ドリンクバーでジュースを取り、それを一口飲んで少し落ち着いたところで和が切り出した。


和の手の中には黒いスマホが握られている。


「変って何が?」


「今回の呪いのメールに決まってるだろ? 調べても調べてもなにも出てこねぇ」


「そうだね。私達もずっと調べてるけど、決定的なことはなにも出てこない」


「俺たちみたいなネット世代が、SNSになんの痕跡も残さねぇなんてことあるか? 実際に呪いのメールが届いたりしたら、一番にSNSに投稿したり、写真をUPしたりしてもおかしくねぇだろ」


確かに和の言う通りだった。


「じゃあ、やっぱり記事を消されてるってこと?」


言ったのは加菜子だった。
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