死体写真
☆☆☆

裕之との関係が頭の片隅にありながらも、呪いのメールのことを考えるとすぐに切り替えることができた。


前回と同じバスに乗り、同じファミレスの近くで下車する。


○○高校の前を通ったものの、今日は休日で生徒の姿はまばらだった。


「どうする? 行ってみる?」


加菜子が校門の前で足を止めた。


グランドの方角からはいくつかの生徒の声が聞こえてきているから、登校している子たちは少なからずいるようだ。


校舎へ入らずとも、部活の見学とでも言えば少しくらい話がきけるかもしれない。


そう考えた私達は校門を入って右手にあるグラウンドへと足を向けた。


今はサッカー部が練習をしているようで空高くまで飛ぶボールがみえた。


グラウンドは校舎よりも1段下がっていて、広い石の階段が設置されていた。


その石段の上から部活を見学している生徒の姿がチラホラと見られた。


休日ということもあって見学者はみんな私服姿だったので、その中に混ざることは簡単だった。


グラウンドを駆け回る男子生徒を目で追いかけながらも、生徒に話しかけるタイミングを見計らう。


見学しているのはすべて女子生徒だから、人気の男子生徒でもいるのかもしれない。


私は少し大きな声で「今日もかっこいいよね」と、加菜子に話しかけた。


突然話しかけられた加菜子は一瞬戸惑った様子をみせたけれど、すぐに「そうだね」と乗ってきた。


「あなたたちも、飯田先生目当て?」

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