死体写真
しばらく沈黙が4人の上に降り掛かってきた。


「それって、隣街のやつか?」


ようやく声を発したのは和だった。


裕之が頷く。


「1年生の頃隣町との合同体育があっただろ? そのときに仲良くなった友達だった。先月くらいだったかな。そいつから珍しく連絡が来て、遊びに行ったんだ。そのときに隣町ではやってる呪いのメールについて聞いた。最初は面白半分に聞いてたんだけど、そいつからメールを見せられたんだ。写真が添付されてて、友達が溺死している写真だった。


たちの悪いイタズラだなって言ってふたりして笑ったのに……その次の日に、そいつの溺死死体が川から発見された」


一気に話し終えて大きく息を吐き出す。


私は信じられない気持ちで裕之の言葉を聞いていた。


まさか裕之の友人が犠牲者のひとりだったなんて。


「呪いの噂について知ったのは、そのときが初めてだ」


友人が写真のとおりに死んだのはただの偶然だ。


あんなメールは関係ない。


そう思い込もうとしていたところに、アコにメールが届いた。


裕之の中には莫大な恐怖が生まれたに違いない。


あのメールは本物なのか。


受け取った人間が本当に死んでしまうのか。


だから、拒絶した。
< 87 / 155 >

この作品をシェア

pagetop