虹色のバラが咲く場所は
101話 寂しかった?
「翔、来てくれるかな、」
そわそわしてると
「大丈夫だって、舞。翔さんシスコン
だから来てくれるよ、多分」
「最後の多分は要らなかったかな、蓮」
少し背が伸びた蓮。昨日慌てて丈を
直されていたが、間に合ってよかった。
雪希と類はスタッフさんのところに確認を
しにいっている。
「蓮、舞、そろそろ」
顔を出した類の言葉に気持ちを切り替えて
ステージに向かう。
「こんにちは、Rainbow Roseです!」
会場は歓声が湧き上がる。
新しい振り付け、新しい曲、
このライブのために沢山努力をした。
みんなミスはなく確実に成長していることを実感する。
最後の曲まで歌いきり、会場の熱が冷めないうちに次のアイドルと交代してステージを
降りる。
ー控え室ー
「疲れた」
「終わって開口1番にそれ?」
類と雪希が話していても話が入ってこない
「舞?」
「分からなかった、翔」
「それだけ、ライブに集中してたって
ことじゃない?」
「そうだね、蓮。私。いつかSTEPと
同じステージに立つことが目標なんだ」
「そうか、」
蓮は目を細めて言った
「仲間の目標は俺たちの目標でもある、」
雪希と話してたと思ってた類はいつのまにか
着ていたジャケットを脱いで椅子に
掛けていた。
「僕たちがSTEPと肩を並べられるように
頑張らないとね」
「雪希、そうだね」
(本当にみんなと出会えて良かった)
余韻に浸っていると、メールが入る。
翔からだ。
ー今、少し話せる?ー
「ん?・・・ねえ、
ちょっと出てきていい?」
「うん、でも早めに戻ってきなよ」
類からOKが出たからロビーの端っこで
電話をする
「もしもし」
「久しぶり、舞」
「どうだった?」
「見違えたよ、1年前とは大違い」
「私、寮に入ってから一度も家に
帰ってないんだ」
「あー、俺も忙しくて帰れてないな」
「このライブが終わってから3日くらい休みなんだ。だからその時に掃除しに帰ろうと
思ってるんだ」
「そっか、俺も帰れたら良かったん
だけど、別の仕事が入ってて。」
「有名なんだもん、仕方ないよ。今日の
ライブも忙しいからこれないんじゃないかなって思ってたからよかった」
「ふーん、つまり、寂しかった?」
「そ、そんなわけないよ、
馬鹿じゃないの?」
言い当てられてムキになった。
「なんか、毒舌になったな」
呆れられたがすぐに、
「でもそんな仲間に巡り会えて良かったな」
「うん、それは本当にそう思う」
「あの、チケットって約束があった、
から?」
「約束、・・・約束なんかしたっけ?」
一瞬息を呑んだように思えたけど、類に
手招きされてこれ以上は無理だと分かった
「ごめん、翔。そろそろ行かないと」
「え、あ、うん。またな」
元気だった翔の声が急に萎んで気になったが
電話を切る。
偶然は怖いな、
舞に悪気があったわけじゃない。純粋に兄に
自分の姿を見て欲しかったというのは嫌と
いうほど理解している。
でもどこにぶつければいいんだろう。
思い出してしまった後悔と舞の仲間が
両親を葬った張本人の息子だという憤りを。
そわそわしてると
「大丈夫だって、舞。翔さんシスコン
だから来てくれるよ、多分」
「最後の多分は要らなかったかな、蓮」
少し背が伸びた蓮。昨日慌てて丈を
直されていたが、間に合ってよかった。
雪希と類はスタッフさんのところに確認を
しにいっている。
「蓮、舞、そろそろ」
顔を出した類の言葉に気持ちを切り替えて
ステージに向かう。
「こんにちは、Rainbow Roseです!」
会場は歓声が湧き上がる。
新しい振り付け、新しい曲、
このライブのために沢山努力をした。
みんなミスはなく確実に成長していることを実感する。
最後の曲まで歌いきり、会場の熱が冷めないうちに次のアイドルと交代してステージを
降りる。
ー控え室ー
「疲れた」
「終わって開口1番にそれ?」
類と雪希が話していても話が入ってこない
「舞?」
「分からなかった、翔」
「それだけ、ライブに集中してたって
ことじゃない?」
「そうだね、蓮。私。いつかSTEPと
同じステージに立つことが目標なんだ」
「そうか、」
蓮は目を細めて言った
「仲間の目標は俺たちの目標でもある、」
雪希と話してたと思ってた類はいつのまにか
着ていたジャケットを脱いで椅子に
掛けていた。
「僕たちがSTEPと肩を並べられるように
頑張らないとね」
「雪希、そうだね」
(本当にみんなと出会えて良かった)
余韻に浸っていると、メールが入る。
翔からだ。
ー今、少し話せる?ー
「ん?・・・ねえ、
ちょっと出てきていい?」
「うん、でも早めに戻ってきなよ」
類からOKが出たからロビーの端っこで
電話をする
「もしもし」
「久しぶり、舞」
「どうだった?」
「見違えたよ、1年前とは大違い」
「私、寮に入ってから一度も家に
帰ってないんだ」
「あー、俺も忙しくて帰れてないな」
「このライブが終わってから3日くらい休みなんだ。だからその時に掃除しに帰ろうと
思ってるんだ」
「そっか、俺も帰れたら良かったん
だけど、別の仕事が入ってて。」
「有名なんだもん、仕方ないよ。今日の
ライブも忙しいからこれないんじゃないかなって思ってたからよかった」
「ふーん、つまり、寂しかった?」
「そ、そんなわけないよ、
馬鹿じゃないの?」
言い当てられてムキになった。
「なんか、毒舌になったな」
呆れられたがすぐに、
「でもそんな仲間に巡り会えて良かったな」
「うん、それは本当にそう思う」
「あの、チケットって約束があった、
から?」
「約束、・・・約束なんかしたっけ?」
一瞬息を呑んだように思えたけど、類に
手招きされてこれ以上は無理だと分かった
「ごめん、翔。そろそろ行かないと」
「え、あ、うん。またな」
元気だった翔の声が急に萎んで気になったが
電話を切る。
偶然は怖いな、
舞に悪気があったわけじゃない。純粋に兄に
自分の姿を見て欲しかったというのは嫌と
いうほど理解している。
でもどこにぶつければいいんだろう。
思い出してしまった後悔と舞の仲間が
両親を葬った張本人の息子だという憤りを。