虹色のバラが咲く場所は
121話 CD発売
週末、僕のスマホに2人から
ー今から行ってくるー
と連絡を受けた。
そして僕は、
「雪希くん、表情かたいよ」
「蓮くん、いい感じだね、本当に初めて?」
CDのジャケットの写真を撮っています。
「すみません!」
「ありがとうございます、初めてです」
セットの椅子に向かって左側に僕、
右側に蓮が座り、
後ろに山積みになっているカラフルな箱に
僕側に類、蓮側に舞がもたれている。
「舞ちゃん、もうちょっと、体ごとこっち
に向けてくれない?」
「こう、ですか?」
「うん、いいね」
「類くん、もう少しリラックスしようか」
「あ、はい。すみません」
何枚か写真を撮って、撮影は一旦終了して
休憩に入る。
(これが終わったらライブの打ち合わせか)
仕事が増えてきた気がする。
まぁ嬉しいけど複雑になる。
スマホを開くと辺里くんからで、
辺理くんが見繕ったであろうTシャツやワ
ンピースをきた宮本さんの写真が
数枚送られてきた。
ー今度は雪希くんも一緒に行こうー
ー雪希の服を見繕ってみたいー
とメールが入っていた。
「カメラを向けられるとどうしても
力が入る」
「わかる、」
類と舞がため息をつくが僕は浮かれていた。
(ほんと、僕は単純になったみたい)
「皆さん、再開するそうですよ」
「「「「はい」」」」
ノックされて入ってきた千鶴さんの声に
移動する。
立ち位置を変えたり座ったりして構図を
変えてどれか1番いいかを決める。
「よし、これでいこう」
担当さんの声で決まったのは
椅子の左側に類が座り、右側に舞が座る。
類側に僕が立ち舞側に蓮が立つ、
といった構図。
ジャケット写真の撮影が終わってからは
事務所に行きCD発売日にゲリラライブと
チェキ会をすると決まった。
「あの、ゲリラライブ、ってなんですか?」
手を上げて控えめに聞くとしん、とした微妙な空気になる。
「事前に宣伝や告知をしないで当日、
路地や広場でパフォーマンスをすること。
こういうことも覚えていかないとだめだよ」
「はい、すみません」
類に教えられて肩を落とす。
細かい説明をされてこの日は解散になった。
ー翌日ー
僕が学校に行くと2人はいつも通りで。
「「おはよう雪希/くん」」
「おはよう、2人とも」
「はい、これ」
辺くんから渡された小さな紙袋。
開けると、猫のシルエットを形象った
銀のキーホルダー。中央に黄緑の
ラインストーンが嵌め込まれている。
「かわいい、けどどうし、」
顔を前に向けると2人も同じものを
持っていた。
宮本さんはピンクのラインストーン。
辺里くんは青のラインストーン。
「「おそろい」」
2人は誇らしげに言った。
その様子がおかしくて、でも嬉しくて。
「ありがとう、2人とも」
鞄のうちポケットにしまう。
「昨日はどんなことしたの?」
「昨日は、ーーー」
「ジャケ撮りってことはもうすぐ
CD発売か?」
「うん!」
「たくさん聞いてくれるといいね」
「うん、今はCDを買わなくても
ミュージックアプリで聞けるから
不特定多数の人に聞いてもらえると思う。
当日はゲリラライブをやるから、それで気に入ってくれたら
嬉しいな。」
「自分の好きな曲がアニソンだったって
後から知るみたいな?」
「うん、Rainbow Rose自体はあまり興味をもってもらえなくても僕たちの歌を好きに なってくれたらな、て。」
「そっか。やっぱりアイドルって大変?」
「大変だよ。売れるまでも大変だし
売れてからも大変だし。でも楽しいよ。」
「個別の仕事とかあるのか?」
「個別、今のところは特にないかな。」
「これから個別の仕事が増えるかもね」
「うん、」
もし個別の仕事が入ったらそれは嬉しいことに変わりない。でも何て言えばいいのかわからないけどもやもやする。
数日後、
ー今から行ってくるー
と連絡を受けた。
そして僕は、
「雪希くん、表情かたいよ」
「蓮くん、いい感じだね、本当に初めて?」
CDのジャケットの写真を撮っています。
「すみません!」
「ありがとうございます、初めてです」
セットの椅子に向かって左側に僕、
右側に蓮が座り、
後ろに山積みになっているカラフルな箱に
僕側に類、蓮側に舞がもたれている。
「舞ちゃん、もうちょっと、体ごとこっち
に向けてくれない?」
「こう、ですか?」
「うん、いいね」
「類くん、もう少しリラックスしようか」
「あ、はい。すみません」
何枚か写真を撮って、撮影は一旦終了して
休憩に入る。
(これが終わったらライブの打ち合わせか)
仕事が増えてきた気がする。
まぁ嬉しいけど複雑になる。
スマホを開くと辺里くんからで、
辺理くんが見繕ったであろうTシャツやワ
ンピースをきた宮本さんの写真が
数枚送られてきた。
ー今度は雪希くんも一緒に行こうー
ー雪希の服を見繕ってみたいー
とメールが入っていた。
「カメラを向けられるとどうしても
力が入る」
「わかる、」
類と舞がため息をつくが僕は浮かれていた。
(ほんと、僕は単純になったみたい)
「皆さん、再開するそうですよ」
「「「「はい」」」」
ノックされて入ってきた千鶴さんの声に
移動する。
立ち位置を変えたり座ったりして構図を
変えてどれか1番いいかを決める。
「よし、これでいこう」
担当さんの声で決まったのは
椅子の左側に類が座り、右側に舞が座る。
類側に僕が立ち舞側に蓮が立つ、
といった構図。
ジャケット写真の撮影が終わってからは
事務所に行きCD発売日にゲリラライブと
チェキ会をすると決まった。
「あの、ゲリラライブ、ってなんですか?」
手を上げて控えめに聞くとしん、とした微妙な空気になる。
「事前に宣伝や告知をしないで当日、
路地や広場でパフォーマンスをすること。
こういうことも覚えていかないとだめだよ」
「はい、すみません」
類に教えられて肩を落とす。
細かい説明をされてこの日は解散になった。
ー翌日ー
僕が学校に行くと2人はいつも通りで。
「「おはよう雪希/くん」」
「おはよう、2人とも」
「はい、これ」
辺くんから渡された小さな紙袋。
開けると、猫のシルエットを形象った
銀のキーホルダー。中央に黄緑の
ラインストーンが嵌め込まれている。
「かわいい、けどどうし、」
顔を前に向けると2人も同じものを
持っていた。
宮本さんはピンクのラインストーン。
辺里くんは青のラインストーン。
「「おそろい」」
2人は誇らしげに言った。
その様子がおかしくて、でも嬉しくて。
「ありがとう、2人とも」
鞄のうちポケットにしまう。
「昨日はどんなことしたの?」
「昨日は、ーーー」
「ジャケ撮りってことはもうすぐ
CD発売か?」
「うん!」
「たくさん聞いてくれるといいね」
「うん、今はCDを買わなくても
ミュージックアプリで聞けるから
不特定多数の人に聞いてもらえると思う。
当日はゲリラライブをやるから、それで気に入ってくれたら
嬉しいな。」
「自分の好きな曲がアニソンだったって
後から知るみたいな?」
「うん、Rainbow Rose自体はあまり興味をもってもらえなくても僕たちの歌を好きに なってくれたらな、て。」
「そっか。やっぱりアイドルって大変?」
「大変だよ。売れるまでも大変だし
売れてからも大変だし。でも楽しいよ。」
「個別の仕事とかあるのか?」
「個別、今のところは特にないかな。」
「これから個別の仕事が増えるかもね」
「うん、」
もし個別の仕事が入ったらそれは嬉しいことに変わりない。でも何て言えばいいのかわからないけどもやもやする。
数日後、