虹色のバラが咲く場所は

133話 逆ハーレム

放課後、俺は3人とは別の収録があって家に
帰ってきて1人夕食を食べ終わってひと休み
していたら類に部屋に呼ばれた。
「っていうことがあったんだよ」
「へー」
(すごい面倒なことになったな)

「でも類、舞とクラス別だよね?
よく知ってるね」
「あんなに盛り上がってたらね。
いやでも気になるじゃん。
だから1組を覗き見してきたんだ」
(逆ハーレムみたいな状況!
しかも本人は変な勝負に乗ったみたいだし!)

「蓮、何か言いたいことがあるん
じゃない?」
少しニヤついていた。
(類はなんでも見透かしてそう。)
「うん。舞が言い争ってる時、俺はとある
人から舞が好きだって言われた」
「・・・マジ?」
類からしてよそうがいの言葉だったのは
目を丸くしていた
「マジで。」
「逆ハーレムじゃん。」
「それは俺も思ったけど」

類は咳払いをして
「ま、まぁちょっとびっくりしたけど
蓮。蓮は舞のことどう思ってるの?」
「俺は・・・」

〜回想〜
「え、なんの冗談、ですか」
「冗談だと思うか?」
「・・・いえ、」
(ふざけたことを言う事は日常茶飯事だけど
絶対に嘘は言わない)
「それを、俺に言ってどうするんですか?」
「架け橋になってもらおうと思って」
「架け橋?」
言葉に困惑していても会長は続ける。
「そうだ。彼女と君は面識があるからね」
(面識ってレベルじゃないけどね)

「あの、会長は彼女とどんな関係になりたいんですか?友達か、それ以上、ですか?」
(頼む、友達であってくれ)
「もちろん、それ以上。彼女と交際したい」
一瞬、絶望しかけたが

「会長、Rainbow Roseって
アイドルグループ、知ってますか?」
顔色を伺いながら聞くと満面の笑みで
「生徒会長だからね、君たちの活動は
知ってるよ」
「知っていても尚、彼女と交際したい、
そう思っているんですか?」

「そうだ、僕は彼女の事が好きだ、
この気持ちは変わらない」
とても真剣な顔、本気なんだ会長は。でも
「会長は彼女のどういうところが好きに
なったんですか?」
(3年と1年、ほとんど接点はないはず。
まさか・・・芸能人、だから?)
一抹の不安から探るように観察すると
頬を赤くしてはにかんだ。
「はっきり言って一目惚れだった。
他の女子生徒より輝いて見えたんだ。
一目惚れだと好きになった理由にはならないかな?」

「好きになった理由に入るかどうかは人
それぞれでいいと思います」
(一目惚れでも好きになった理由になるなら
俺は・・・)
「彼女に告白するんですか?」
「もちろん、でも初対面での告白は勝算が
低いと僕は考えている。だから君に仲人になってもらおうと思ってね。しばらく友達
付き合いをしてから告白しようと思ってる」
「思ってる、って・・・」

(いろいろツッコミたいところはあるけど)
「そもそもま、彼女は誰が告白してもOKは
出しませんよ」
会長は目を丸くしている。
「なんで君がそんな事言えるんだ?」
一度、目を閉じあの時の事を思い耽るように
呟く。
「彼女の目標を知っているからですよ」
「どんな?」
「それは、俺の口からは言えません。
でも、目標を叶えるために交際は確実に
足枷になります。」
「高坂君って何かの僕の告白を阻止しようとしてない?」

会長は苦笑したが目が笑っていなかった。
「阻止なんて人聞きが悪い、
俺は今告白しても勝算が低いから、
彼女自身がアイドルをやめてから
の方が勝算が高いという後輩の 
アドバイスですよ。」
「彼女はアイドルを引退するのか?」
少しホッとした表情に苛立つ

「今のところはやめませんよ、絶対に。
彼女は高校を卒業しても何もなければ
アイドルを続けると思います」
「なんだ、」
小さくつぶやいて肩を落としたが、
「あなたには、
待つという選択肢はないんですか?」
呆れるが聞こえてないらしく返事はない。
思いついたように、類がするようなゲス顔
になっていった。

「なら、彼女がアイドルを辞めれるように
仕向けばいい」
我慢出来なくて俺は柄にもなく会長の胸ぐらを掴んで怒鳴っていた。
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