虹色のバラが咲く場所は
16話 やらかした
「高坂、先輩」
蓮は少し怒っているように見える。
「どんな理由でも、
人を叩くのは見逃せない」
蓮は鈴川さんを軽く睨む。
鈴川さんは黙って、踵を返し私を睨んでから去っていった。
他の子たちも鈴川さんを追いかけて
どこかへ行った。
しばらくの沈黙。
「助けてくれたと思った?」
蓮は口角を上げ面白がるように言った。
「正直、助かりました。
ありがとうございます先輩。」
「え、そう」
蓮はきょとんとした。
「私、おかしなこと言いました?」
「いや、
そう言われるとは思わなかった。」
「俺、職員室に用があるんだ、
じゃあな」
そう言って蓮は走って行った。
私も帰ろうと昇降口に向かう。
(正直、からかいのつもりで言った。
また昨日みたいに払い除けるかと
思った。でも声色は変わっていなかったが素直にお礼を言われるとは予想外。)
なんか、悪い気はしない。
明日から7月なのに、
なんだか空がどんよりとしている。
なんて思っていたら雨が降り出した。
鞄の中を引っ掻き回しても
折りたたみ傘がない。
「まさか」
(寮に忘れた!?)
この電車に乗り遅れると一時間は待つ
羽目になる。
「走るか」
鞄の中からカーディガンを
出し袖を通す。
途中何回かお店の軒下で休憩をして
駅まで走り、電車に乗り込む。
タオルを出し肌を拭く。
(カーディガンとタオル持ってたのに
なんで折りたたみ傘忘れるんだろう)
電車を降りまた寮まで走る。
早くシャワー浴びよう。
「・・・あれ?鍵どこだ。」
ドアの前で荷物を漁るが鍵の
感触がない。
(今日、やらかしすぎでしょ)
インターホンを押すが、
何か音がする様子はない。
ここまでくるともう笑うしかない。
とりあえず他のみんなに、
「連絡先交換してない」
とりあえずドアの横に座る。
しばらくしたら誰かは帰ってくる
だろう。
うとうとしてきた頃、
「、い、まい、大丈夫?舞?」
ずっと目を閉じていたからぼやける
だんだん正常になる頃、
「ゆ、き」
「大丈夫、舞。なんでこんなところに
というかなんで濡れてるの」
「あ、鍵と傘忘れちゃって」
「シャワー浴びた方がいいよ。
風邪ひくし」
「そうする」
鍵を開けた直後
何か音がして振り向くと
「舞!?」
舞が倒れた
「舞!?」
仰向けにさせ額を触ると熱かった。
「舞、舞!」
なんども呼びかけるが返事はない。
僕は舞を抱きかかえ、舞の部屋へ。
「失礼するね」
扉を開け、ベットへ下ろし薄い毛布を
かける。
1階に降りると
「ただいま」
「おかえり、蓮」
「舞は部屋か。」
「う、うん。ちょっと熱でちゃって」
「熱?」
「僕もついさっき帰ってきたばかりで
玄関の横に座っててさ。聞いたら
鍵持って出るの忘れたって。
傘も忘れたって言ってたからずぶ濡れで帰ってきたんだと思う」
「ふーん」
そう言い蓮は2階へ上がっていく。
(まぁ、蓮がいるし何かあっても
大丈夫か)
ドラッグストアへ色々買いに行く。
舞が一本前の電車で帰ったら、
ざっくり計算すると
一時間近く玄関にいたのか。
(そりゃ熱出るよな)
舞の部屋に入る。荒い呼吸で汗ばんで
いる。自分の部屋に戻りスポーツタオルを取り、脱衣所で冷水に濡らし絞る。
舞の部屋に行き、額の汗を拭う。
(あの時もこうすれば少しは
状況は変わってたのか)
「最低な兄ちゃんでごめん」
蓮は少し怒っているように見える。
「どんな理由でも、
人を叩くのは見逃せない」
蓮は鈴川さんを軽く睨む。
鈴川さんは黙って、踵を返し私を睨んでから去っていった。
他の子たちも鈴川さんを追いかけて
どこかへ行った。
しばらくの沈黙。
「助けてくれたと思った?」
蓮は口角を上げ面白がるように言った。
「正直、助かりました。
ありがとうございます先輩。」
「え、そう」
蓮はきょとんとした。
「私、おかしなこと言いました?」
「いや、
そう言われるとは思わなかった。」
「俺、職員室に用があるんだ、
じゃあな」
そう言って蓮は走って行った。
私も帰ろうと昇降口に向かう。
(正直、からかいのつもりで言った。
また昨日みたいに払い除けるかと
思った。でも声色は変わっていなかったが素直にお礼を言われるとは予想外。)
なんか、悪い気はしない。
明日から7月なのに、
なんだか空がどんよりとしている。
なんて思っていたら雨が降り出した。
鞄の中を引っ掻き回しても
折りたたみ傘がない。
「まさか」
(寮に忘れた!?)
この電車に乗り遅れると一時間は待つ
羽目になる。
「走るか」
鞄の中からカーディガンを
出し袖を通す。
途中何回かお店の軒下で休憩をして
駅まで走り、電車に乗り込む。
タオルを出し肌を拭く。
(カーディガンとタオル持ってたのに
なんで折りたたみ傘忘れるんだろう)
電車を降りまた寮まで走る。
早くシャワー浴びよう。
「・・・あれ?鍵どこだ。」
ドアの前で荷物を漁るが鍵の
感触がない。
(今日、やらかしすぎでしょ)
インターホンを押すが、
何か音がする様子はない。
ここまでくるともう笑うしかない。
とりあえず他のみんなに、
「連絡先交換してない」
とりあえずドアの横に座る。
しばらくしたら誰かは帰ってくる
だろう。
うとうとしてきた頃、
「、い、まい、大丈夫?舞?」
ずっと目を閉じていたからぼやける
だんだん正常になる頃、
「ゆ、き」
「大丈夫、舞。なんでこんなところに
というかなんで濡れてるの」
「あ、鍵と傘忘れちゃって」
「シャワー浴びた方がいいよ。
風邪ひくし」
「そうする」
鍵を開けた直後
何か音がして振り向くと
「舞!?」
舞が倒れた
「舞!?」
仰向けにさせ額を触ると熱かった。
「舞、舞!」
なんども呼びかけるが返事はない。
僕は舞を抱きかかえ、舞の部屋へ。
「失礼するね」
扉を開け、ベットへ下ろし薄い毛布を
かける。
1階に降りると
「ただいま」
「おかえり、蓮」
「舞は部屋か。」
「う、うん。ちょっと熱でちゃって」
「熱?」
「僕もついさっき帰ってきたばかりで
玄関の横に座っててさ。聞いたら
鍵持って出るの忘れたって。
傘も忘れたって言ってたからずぶ濡れで帰ってきたんだと思う」
「ふーん」
そう言い蓮は2階へ上がっていく。
(まぁ、蓮がいるし何かあっても
大丈夫か)
ドラッグストアへ色々買いに行く。
舞が一本前の電車で帰ったら、
ざっくり計算すると
一時間近く玄関にいたのか。
(そりゃ熱出るよな)
舞の部屋に入る。荒い呼吸で汗ばんで
いる。自分の部屋に戻りスポーツタオルを取り、脱衣所で冷水に濡らし絞る。
舞の部屋に行き、額の汗を拭う。
(あの時もこうすれば少しは
状況は変わってたのか)
「最低な兄ちゃんでごめん」