虹色のバラが咲く場所は
176話 ナチュラル
午後、類の徒競走、と3年生の
障害走、綱引きと今度は1年生の障害走
レーンに並んで、第1走者が終わるのを眺める。
第2走者、クラウチングの時にフラッと
よろめく感覚。
(きっと気のせい、だよね。
もう調子悪いなんて言えない)
ピストルの音で網抜け、ハードル飛び
と進み平均台を渡ろうとした瞬間、
視界が揺らぐ。
(あれ?)
平均台に片足を乗せて、渡る瞬間で
倒れたから、結構痛い。
(大丈夫、意識はある。まだレースは
終わってないのに)
目がまわって力が入らない。
すぐに先生が来てくれたが声が遠い。
誰かが先生と話していると思ったら
体が浮いた気がした。
次に目を覚ましたのは保健室の
ベットの上。
少しめまいがしたけどレース中に比べたら大分マシになった。
「あ、起きた。
急に倒れるからびっくしたよ」
ベットを囲むように引かれていた
カーテンを開けて入ってきたのは類。
「ごめん、レース始まる直前
だったから言うタイミングなくて」
私が周りを見渡すと
「先生ならテントに戻っていったけど。貧血と軽い熱中症だって。
多分、疲れもあって倒れたと思うけど」
ベットから降りると少しよろめいた
「っと、まだ寝てた方が
いいんじゃない?」
類は片腕で私を抱き止める。
「ありがとう、でも大丈夫だよ」
カーテンを開けて外から聞こえる校長
先生の声で今は閉会式の最中だと気づく
「閉会式出なくてよかったの?」
「閉会式で俺の出る幕はないからね。
これから大変だよ」
と類は片目を瞑る。
「大変って?」
「まだお楽しみだよ」
「あ!団体リレー!」
「もう終わったよ、誰か代わりに
出てくれたんじゃない?」
「それならいいけど」
閉会式も終わり、教員テントに向かうと
保健の先生が出てきて体調確認されて
私は教室に戻った。
リレーを出れなかった、後ろめたさで
恐る恐る教室を覗くと殆どの女子の視線を感じる。
「リ、リレー出れなくてごめんなさい」
「そんなことはどうでもいいの」
(そんなこと!?)
1人の女子が口を開く。
「覚えてない?
気を失ってたぽいし、
仕方ないよね」
みんななんかヒソヒソしているけど
身に覚えはない。
「な、なに?」
「舞が倒れたあと」
鈴川さんが話したことは
~回想~
舞が倒れた時、2人男の先生が駆けつけて声かけたりしたように見えたが
平均台の近くにいた蓮先輩が先生に何か
話して舞を抱きかかえた。
それはもう平然として。
気を失っている人って重いって聞いた
けどそんなこと感じさせないくらいに
ナチュラルに。
そしてすぐに保健室のベランダから中に入った後は見えなかったけどすぐに
出てきた何食わぬ顔で平均台のところに戻った。
~回想終了~
(類が言ってたのはこれか!)
「そっか、そんなことが。
後でお礼言っておかないと」
「反応が軽いよ!
顔を赤らめるとか、
恥ずがしがるとかないの!?」
鈴川さんは食いついたけど、
「人命救助でしょ?
そんな反応する方が失礼だよ」
「お、思った以上に塩対応だね」
帰りのホームルームを終えて、
私は帰宅した。
「蓮、さっきはありがとう」
「別にいいよ。それよりも
大丈夫なの?」
「うん、もう平気」
「そっか」
蓮は優しく笑って頭を触る。
「なに?」
「いや、頭うってないかな、て思って」
あの時、本音を言えばそばにいたかったけど、係があったから後から追いかけてきた類に
「舞のことちゃんと見ててよ」
と耳打ちして後を頼んだ。
障害走、綱引きと今度は1年生の障害走
レーンに並んで、第1走者が終わるのを眺める。
第2走者、クラウチングの時にフラッと
よろめく感覚。
(きっと気のせい、だよね。
もう調子悪いなんて言えない)
ピストルの音で網抜け、ハードル飛び
と進み平均台を渡ろうとした瞬間、
視界が揺らぐ。
(あれ?)
平均台に片足を乗せて、渡る瞬間で
倒れたから、結構痛い。
(大丈夫、意識はある。まだレースは
終わってないのに)
目がまわって力が入らない。
すぐに先生が来てくれたが声が遠い。
誰かが先生と話していると思ったら
体が浮いた気がした。
次に目を覚ましたのは保健室の
ベットの上。
少しめまいがしたけどレース中に比べたら大分マシになった。
「あ、起きた。
急に倒れるからびっくしたよ」
ベットを囲むように引かれていた
カーテンを開けて入ってきたのは類。
「ごめん、レース始まる直前
だったから言うタイミングなくて」
私が周りを見渡すと
「先生ならテントに戻っていったけど。貧血と軽い熱中症だって。
多分、疲れもあって倒れたと思うけど」
ベットから降りると少しよろめいた
「っと、まだ寝てた方が
いいんじゃない?」
類は片腕で私を抱き止める。
「ありがとう、でも大丈夫だよ」
カーテンを開けて外から聞こえる校長
先生の声で今は閉会式の最中だと気づく
「閉会式出なくてよかったの?」
「閉会式で俺の出る幕はないからね。
これから大変だよ」
と類は片目を瞑る。
「大変って?」
「まだお楽しみだよ」
「あ!団体リレー!」
「もう終わったよ、誰か代わりに
出てくれたんじゃない?」
「それならいいけど」
閉会式も終わり、教員テントに向かうと
保健の先生が出てきて体調確認されて
私は教室に戻った。
リレーを出れなかった、後ろめたさで
恐る恐る教室を覗くと殆どの女子の視線を感じる。
「リ、リレー出れなくてごめんなさい」
「そんなことはどうでもいいの」
(そんなこと!?)
1人の女子が口を開く。
「覚えてない?
気を失ってたぽいし、
仕方ないよね」
みんななんかヒソヒソしているけど
身に覚えはない。
「な、なに?」
「舞が倒れたあと」
鈴川さんが話したことは
~回想~
舞が倒れた時、2人男の先生が駆けつけて声かけたりしたように見えたが
平均台の近くにいた蓮先輩が先生に何か
話して舞を抱きかかえた。
それはもう平然として。
気を失っている人って重いって聞いた
けどそんなこと感じさせないくらいに
ナチュラルに。
そしてすぐに保健室のベランダから中に入った後は見えなかったけどすぐに
出てきた何食わぬ顔で平均台のところに戻った。
~回想終了~
(類が言ってたのはこれか!)
「そっか、そんなことが。
後でお礼言っておかないと」
「反応が軽いよ!
顔を赤らめるとか、
恥ずがしがるとかないの!?」
鈴川さんは食いついたけど、
「人命救助でしょ?
そんな反応する方が失礼だよ」
「お、思った以上に塩対応だね」
帰りのホームルームを終えて、
私は帰宅した。
「蓮、さっきはありがとう」
「別にいいよ。それよりも
大丈夫なの?」
「うん、もう平気」
「そっか」
蓮は優しく笑って頭を触る。
「なに?」
「いや、頭うってないかな、て思って」
あの時、本音を言えばそばにいたかったけど、係があったから後から追いかけてきた類に
「舞のことちゃんと見ててよ」
と耳打ちして後を頼んだ。