虹色のバラが咲く場所は

182話 非道

「「先輩と接触したぁ!?」」
「え、そんな驚く?」
家に帰り、昼間のことを話すと2人とも
すごく驚いていた。

「なにもされてない?」
「え、うん。少し話しただけ」
(話したというか衝突したというか)

あの後手のひらを見たら爪の食い込んだ跡がすごかった。
多分あと少し力が強かったら
血が滲んでたとおもう。

「舞、話は変わるけど新曲できたの?」
「うん、歌詞書き終わったよ。
タイトルは、
憧れを追い越したその先へ。
後でSNSにタイトルだけ報告
しとこうかなって」

話題を変えられた蓮は不貞腐れたが
「舞、これから急遽男子会するから」
「え、それは構わないけど珍しいね。
私は部屋に行った方がいい?」
「いや、俺たちが部屋に行くから舞は
ここにいていいよ。」
類は蓮を引っ張り、階段を登っていく。


「ねぇ、類。
どう思う?舞、何もなかったって
言ってたけど」
類はベットに仰向けになった。

「本当になにかあったら舞は隠さないよ。本当に大丈夫なんじゃない?
寧ろ、俺たちが過敏だったかもしれないよ。」
「でも、」
「大丈夫って言って心配しすぎるのは
信頼してないことになるんじゃない?
舞の場合はね」
正直納得いかなかったが、これ以上言うと駄々をこねるようでやめた。

ー翌日ー
俺はみんなより早く家を出て学校に向かい教室には行かず生徒会室へ。
(会長、まだ来てないかな、)

半分諦めでノックをすると中から
会長の声が。
「入ってきたまえ」
「失礼します」

会長は椅子に座っていた。
「会長、昨日舞から聞きました。
会長と接触したと。
てっきり俺は階段とかで舞を突き落として無理やり引退させるかと
思ってました。」
「き、君の中でずいぶん私は
非道らしいね」
会長の口は引き攣っていたが本音だ。

「気でも変わったんですか?」
「最初はね、色々と言いくるめようと
思ったんだ。でもあの眼差しに
負けたんだよ」
「眼差し?」
「好いた弱みってやつでね。
どうでもよくなった。
彼女の好きそうなキャラを演じてみたけど全然ダメだった。
彼女は引退する気なんて毛頭ない。
まぁ、俺なりの宣戦布告はしたけどね」

「そうですか。
まぁ誰がどんな手を使っても彼女は
(俺以外に)落ちないと思いますけどね」
「まだわからないさ。いつか彼女は
誰かを好きになるかもしれない。
落ちない可能性は0じゃないからね」

先輩の微笑みを見て
(普通の女子生徒だったら落ちてた 
だろうな)
と内心、呆れていた。

会長に一礼して生徒会室を出る。
その後1日は普通に過ごし、
レッスン開始かと思っていたら、
千鶴さんからメッセージが。
急遽、事務所に来て欲しい。
俺たちは千鶴さんの車で事務所へ。

そこには、
「はじめまして、Rainbow Roseの 
皆さん。僕たち、あなた達の後輩の
Stargazerです」
星らしく衣装の至るところに星がある。
(七夕の衣装を思い出すな)

男子2人に女子2人で構成されている
アイドルチーム。
事情を飲み込めないでいると
七瀬さんが
「4月にオーディションを開いてね。
8月の、みんなもやったサマーフェスで生き残ったチームだよ。
事務所もここだかられっきとした
後輩になる」

「立夏(りっか)です」
「小春(こはる)です」
「秋斗(あきと)です」
「美冬(みふゆ)です」
(春夏秋冬、)
俺は秋斗と、類は立夏と、舞は小春と
雪は美冬と握手した。
(後輩と言ってもライバルだ。
絶対に気は抜かない)
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