虹色のバラが咲く場所は
193話 元日
ー元日ー
「今年も不束なリーダーを
よろしくお願いします」
「「「お願いします」」」
類と舞が作ったお雑煮、
スーパーで買ったお節料理を小さな
重箱に俺と雪希で詰めて
こたつでのんびり食べている。
「舞って翔さんと連絡取ってるの?」
「取ってるというか、一方的かな。
起きたら翔からハッピーニューイヤーのスタンプとあけおめって、」
「軽いね」
伊達巻きを食む舞に聞いたのは雪希。
舞は特に気にする様子なく答える。
「思ったよりスーパー混んでたね」
「お節コーナーは空いてたけどね」
「元日の午前中にお節を買う人って
そうそういないからね」
(元日って言ってももうお昼だけどね)
時計の針は12時30分を指している。
「3人は他からメールきた?」
「あの、先輩たちからと友達、
鈴川さんと戸田くんかな」
「宮本さんと辺里くん」
「俺はクラスのグループかな」
「俺も」
そんな感じ、と答えようとしたら
スマホが鳴る
「え、蓮。私たち以外に電話してくれる人いるの?」
「流石に失礼すぎじゃない?舞」
相手は茉里から
ごめんと一言謝り、部屋で電話に出る
「あ、お兄ちゃん?
今大丈夫?」
「うん、
どうしたの?」
「特に理由は、あ、
あけましておめでとう」
「おめでとう」
なんかどことなく歯切れが悪く感じる
(電話だから?)
「カウントダウンライブ、
すごかったね。会場の熱気が
すごかった」
「え、見た?
カウントダウンライブ。生で?」
「うん、お兄ちゃん輝いてた」
「そ、そっか」
身内に見られるってすごい恥ずかしいな
だから言わなかったのかもしれない。
「たまきさんは?」
恐る恐る聞くと息を飲むのが聞こえた。
(歯切れが悪いのってたまきさん関連?)
「カウントダウンライブのあとね、
お兄ちゃんのグッズをすごい
買ってたんだ」
「へ?」
予想してなかった答えに間抜けな
声が出る。
「帰りの車の中で、
お兄ちゃんすごかったね、別人みたい
ってテンション上がってたり、
でもこれからも知らない場所で根を生やすのかって、しみじみしてたり
とにかく情緒不安定だった」
「そ、そっか」
(ダメだ、さっきからそっかしか
出てこない)
「お兄ちゃん、あのね今日、朝方に
目が覚めてたまきさんの部屋の前を通るとたまきさんも起きてて、
聞こえちゃったんだ。私が卒業したら あの家に帰ろうかなって言ってるの」
「・・・それって独り言?」
「お父さんもいたと思う」
茉里の声は弱々しい。
「あの人はなんて?」
「どっちでもいいって。
私が高校に電車乗り換えなしで通えるからいいんじゃないかって」
「どの道、俺は基本この家だしな。
茉里は、どう思ってるの?」
「私は、どっちでもいい。
でもそれだと1人暮らしをどうしようかなって。電車で通える距離なのに
わざわざ一人暮らしで余計な出費を
出すのはどうなんだろうって」
「やっぱり、窮屈?」
茉里は少し悩んで
「どうなんだろう、でもそう思ってる
時点で窮屈に思ってるのかなって。
ご、ごめんね、年明けすぐ、
しかも大きなライブ後にこんな暗い話」
「別に、全然気にしてないよ」
「もう少し、考えてみるよ」
「うん、なにも力になれなくてごめん」
「お兄ちゃんのせいじゃないよ。
私が優柔不断なだけ。じゃあね。
体調には気をつけてよ」
と電話は切れた。
(妹ってやっぱりかわいいな)
再びこたつに入るとお餅はすっかり
固くなっていた。
「今年も不束なリーダーを
よろしくお願いします」
「「「お願いします」」」
類と舞が作ったお雑煮、
スーパーで買ったお節料理を小さな
重箱に俺と雪希で詰めて
こたつでのんびり食べている。
「舞って翔さんと連絡取ってるの?」
「取ってるというか、一方的かな。
起きたら翔からハッピーニューイヤーのスタンプとあけおめって、」
「軽いね」
伊達巻きを食む舞に聞いたのは雪希。
舞は特に気にする様子なく答える。
「思ったよりスーパー混んでたね」
「お節コーナーは空いてたけどね」
「元日の午前中にお節を買う人って
そうそういないからね」
(元日って言ってももうお昼だけどね)
時計の針は12時30分を指している。
「3人は他からメールきた?」
「あの、先輩たちからと友達、
鈴川さんと戸田くんかな」
「宮本さんと辺里くん」
「俺はクラスのグループかな」
「俺も」
そんな感じ、と答えようとしたら
スマホが鳴る
「え、蓮。私たち以外に電話してくれる人いるの?」
「流石に失礼すぎじゃない?舞」
相手は茉里から
ごめんと一言謝り、部屋で電話に出る
「あ、お兄ちゃん?
今大丈夫?」
「うん、
どうしたの?」
「特に理由は、あ、
あけましておめでとう」
「おめでとう」
なんかどことなく歯切れが悪く感じる
(電話だから?)
「カウントダウンライブ、
すごかったね。会場の熱気が
すごかった」
「え、見た?
カウントダウンライブ。生で?」
「うん、お兄ちゃん輝いてた」
「そ、そっか」
身内に見られるってすごい恥ずかしいな
だから言わなかったのかもしれない。
「たまきさんは?」
恐る恐る聞くと息を飲むのが聞こえた。
(歯切れが悪いのってたまきさん関連?)
「カウントダウンライブのあとね、
お兄ちゃんのグッズをすごい
買ってたんだ」
「へ?」
予想してなかった答えに間抜けな
声が出る。
「帰りの車の中で、
お兄ちゃんすごかったね、別人みたい
ってテンション上がってたり、
でもこれからも知らない場所で根を生やすのかって、しみじみしてたり
とにかく情緒不安定だった」
「そ、そっか」
(ダメだ、さっきからそっかしか
出てこない)
「お兄ちゃん、あのね今日、朝方に
目が覚めてたまきさんの部屋の前を通るとたまきさんも起きてて、
聞こえちゃったんだ。私が卒業したら あの家に帰ろうかなって言ってるの」
「・・・それって独り言?」
「お父さんもいたと思う」
茉里の声は弱々しい。
「あの人はなんて?」
「どっちでもいいって。
私が高校に電車乗り換えなしで通えるからいいんじゃないかって」
「どの道、俺は基本この家だしな。
茉里は、どう思ってるの?」
「私は、どっちでもいい。
でもそれだと1人暮らしをどうしようかなって。電車で通える距離なのに
わざわざ一人暮らしで余計な出費を
出すのはどうなんだろうって」
「やっぱり、窮屈?」
茉里は少し悩んで
「どうなんだろう、でもそう思ってる
時点で窮屈に思ってるのかなって。
ご、ごめんね、年明けすぐ、
しかも大きなライブ後にこんな暗い話」
「別に、全然気にしてないよ」
「もう少し、考えてみるよ」
「うん、なにも力になれなくてごめん」
「お兄ちゃんのせいじゃないよ。
私が優柔不断なだけ。じゃあね。
体調には気をつけてよ」
と電話は切れた。
(妹ってやっぱりかわいいな)
再びこたつに入るとお餅はすっかり
固くなっていた。