虹色のバラが咲く場所は
196話 分かれ道
鞄から小さなチョコレートの入った
缶を3つ取り出す。
「出会い方は最悪だったけど
これも何かの縁ですか、ら」
言い終わるまでに先輩たちは
号泣しだした。
「そ、そこまでですか?」
「家宝にします」
「やめてください、腐ります」
「この事は墓まで持っていくっす」
「いや、それは・・・
義理なのでどちらでもいいです」
「俺は早く食べたいです」
「2人と意見反してダメージあると
思ってますけどそれが普通なんです」
「「「姐さん!」」」
(縁だとか言ったけど、
貰ってなかったら可哀想だなって
軽い気持ちでだったんだけど。
まぁ物は言いようだしいいか)
バレンタイン終了、
約3週間後までの卒業式、
時間あると思っていても
とても早かった。
「3年生、200名の卒業証書授与式を
終わります」
胸に薔薇のコサージュをつけた3年生が
校門あたりで写真を撮ったり、
話したり楽しげな雰囲気の中
校舎裏で3人を待つ。
「「「姐さん!」」」
「やめてって咎めるのも今日で終わり
ですね。卒業、おめでとうございます」
走ってきた3人に私は呆れる。
「ありがとうございます、ね、
日比谷さん」
「最後でそう呼んでくれるんだ。
ありがとう」
言い直した金髪先輩に微笑む。
「「タメ口!」」
「最後だからね。今日くらいは
見逃してくれるでしょ」
「姐さんのお陰で俺たちはここに
いるっす。ありがとうございました」
「私はなにもしてないよ」
「おーい、3バカクラス写真とるぞー」
声をかけた3年生はすぐに
見えなくなった。
「すっかり3バカって通ってるね」
「まぁ馬鹿なのは確かなんで」
「改めて卒業おめでとうございます。
大河さん、大地さん、太陽さん」
初めての名前呼びに衝撃を受けた3人
「名前、どうして」
「卒業式で呼ばれてたから」
3人は私に何度も
お辞儀して離れていく。
見えなくなるまで見送ると、私は
3年生の教室へ。
「それで、あなたはどうして
私を呼び出したんです?先輩」
「最後に話がしたかったから。
クラス写真は撮ったから時間は
大丈夫だよ」
昨日、蓮から会長が話したいから
卒業式が終わったら3年生の教室に
行って欲しいと聞いた。
警戒すると気づいたように大丈夫と
言われた。
「ごめんなさい」
「え、」
90度のお辞儀と思いも寄らない言葉に
思考が止まる。
「先輩?」
「あの時のお、私はどうかしてた。
自分ばかりで追い込んで傷つけて、
トラウマになったかもしれない。
許して貰おうなんて思ってない。
ずっと恨んだままでもいい。
でも、この謝罪は本当なんだ」
「あ、頭を上げてください。先輩」
それでも頭を上げない先輩に背を向けて
ゆっくり、自分にも言い聞かせるように
話す。
「先輩、確かにあの時は怖かったです。思わずビンタしそうなほど。」
微かに先輩は動いたが続ける。
「怖かったのは先輩の態度の他に
図星を突かれたからです。
自分が認めたくないことにずっと
見つめてこなかったから。
それを気付かせてくれた点だけ先輩に
感謝してます」
振り返ると先輩ひ顔を上げて真剣な目で聞いてくれていた。
「あんなことをした俺にいう資格はないってわかってる。
でも君を好きになったのは本当。
忘れてくれていい。
ただ、これからの活躍を、
日比谷の幸せだけは願わせて欲しい」
「ありがとうございます、先輩。」
先輩と握手して、私は教室へ
先輩は階段を降りていく。
数週間後、桜が咲き始めた頃。
新たな出会いが始まる。
缶を3つ取り出す。
「出会い方は最悪だったけど
これも何かの縁ですか、ら」
言い終わるまでに先輩たちは
号泣しだした。
「そ、そこまでですか?」
「家宝にします」
「やめてください、腐ります」
「この事は墓まで持っていくっす」
「いや、それは・・・
義理なのでどちらでもいいです」
「俺は早く食べたいです」
「2人と意見反してダメージあると
思ってますけどそれが普通なんです」
「「「姐さん!」」」
(縁だとか言ったけど、
貰ってなかったら可哀想だなって
軽い気持ちでだったんだけど。
まぁ物は言いようだしいいか)
バレンタイン終了、
約3週間後までの卒業式、
時間あると思っていても
とても早かった。
「3年生、200名の卒業証書授与式を
終わります」
胸に薔薇のコサージュをつけた3年生が
校門あたりで写真を撮ったり、
話したり楽しげな雰囲気の中
校舎裏で3人を待つ。
「「「姐さん!」」」
「やめてって咎めるのも今日で終わり
ですね。卒業、おめでとうございます」
走ってきた3人に私は呆れる。
「ありがとうございます、ね、
日比谷さん」
「最後でそう呼んでくれるんだ。
ありがとう」
言い直した金髪先輩に微笑む。
「「タメ口!」」
「最後だからね。今日くらいは
見逃してくれるでしょ」
「姐さんのお陰で俺たちはここに
いるっす。ありがとうございました」
「私はなにもしてないよ」
「おーい、3バカクラス写真とるぞー」
声をかけた3年生はすぐに
見えなくなった。
「すっかり3バカって通ってるね」
「まぁ馬鹿なのは確かなんで」
「改めて卒業おめでとうございます。
大河さん、大地さん、太陽さん」
初めての名前呼びに衝撃を受けた3人
「名前、どうして」
「卒業式で呼ばれてたから」
3人は私に何度も
お辞儀して離れていく。
見えなくなるまで見送ると、私は
3年生の教室へ。
「それで、あなたはどうして
私を呼び出したんです?先輩」
「最後に話がしたかったから。
クラス写真は撮ったから時間は
大丈夫だよ」
昨日、蓮から会長が話したいから
卒業式が終わったら3年生の教室に
行って欲しいと聞いた。
警戒すると気づいたように大丈夫と
言われた。
「ごめんなさい」
「え、」
90度のお辞儀と思いも寄らない言葉に
思考が止まる。
「先輩?」
「あの時のお、私はどうかしてた。
自分ばかりで追い込んで傷つけて、
トラウマになったかもしれない。
許して貰おうなんて思ってない。
ずっと恨んだままでもいい。
でも、この謝罪は本当なんだ」
「あ、頭を上げてください。先輩」
それでも頭を上げない先輩に背を向けて
ゆっくり、自分にも言い聞かせるように
話す。
「先輩、確かにあの時は怖かったです。思わずビンタしそうなほど。」
微かに先輩は動いたが続ける。
「怖かったのは先輩の態度の他に
図星を突かれたからです。
自分が認めたくないことにずっと
見つめてこなかったから。
それを気付かせてくれた点だけ先輩に
感謝してます」
振り返ると先輩ひ顔を上げて真剣な目で聞いてくれていた。
「あんなことをした俺にいう資格はないってわかってる。
でも君を好きになったのは本当。
忘れてくれていい。
ただ、これからの活躍を、
日比谷の幸せだけは願わせて欲しい」
「ありがとうございます、先輩。」
先輩と握手して、私は教室へ
先輩は階段を降りていく。
数週間後、桜が咲き始めた頃。
新たな出会いが始まる。