虹色のバラが咲く場所は
4章 ファイナルライブ
197話 学級委員
入学式、数日前
2年生の教室
また舞とはクラスが別になった。
(やっぱり一緒にさせないか)
「蒼葉くん、また同じだね。
よろしく」
「うん、よろしく」
机に座っていると、隣の席の女子に
話しかけられた。
(また、ってことは去年も一緒
だったんだよね。
関わりなさすぎて覚えてないな)
笑顔で答えると少し顔を赤くした。
新たな委員会を決めたり
席替えをしたり、俺にとっては
退屈な時間。
「蒼葉くんがいいと思います」
ぼんやりしていて急に名前を呼ばれて
黒板を見ると学級委員を決めていた。
「でも蒼葉くんは仕事が」
「でもだからって彼だけ除外はずるい
じゃないですか。特別扱いです」
やんわりと断わろうとした先生は
逆に丸め込まれていた。
「いいですよ、先生。
他のみんなが良ければ俺が学級委員
でも」
先生は少し躊躇ったが、学級委員会の
ところに俺の名前を書く。
その他にも掃除場所などを決めて、
1時間目が終わった。
「早速だけど、学級委員はこれ
職員室に運んでおいてくれる?」
「「わかりました」」
女子の学級委員、泉さんと
これ、と言われた春休みの宿題と
その他の提出物。
大小のノートやワーク、プリント。
泉さんにはプリント類と
2種類のワークを頼み、
俺は3種類のワークとノートを持ち
職員室へ。
(先生、春休みの健康記録くらいは
持っていってくれてもよかったのに。
紙の40枚。)
「泉さん、足元見えてる?」
「だ、大丈夫、」
(この先は階段、注意して見ておこう)
登りはいいものの、下りが1番怖い。
1番下まで降りて、一歩ずつ慎重に
降りる彼女に振り返る。
(見てるこっちがこわいな)
提出物を床に置いて、少し持とうと
隣に行くが
「え、」
泉さんが踏み外した瞬間小さな声が
聞こえた。
「泉さん!」
宙を舞うプリント。
短いけど、大きな音。
「だ、大丈夫?」
「ご、ごめん。ありがとう蒼葉くん」
右手で泉さんを支えて左手で
階段の手すりを掴む。
彼女は掴んでいた俺の腕を離して
散らばったプリントを拾う。
俺もプリントを拾い、拾った分は
自分の運ぶ分に重ねた。
「え、蒼葉くん。
そこまでしなくていいよ」
「気にしないで。俺は平気だから」
また提出物を持ち、2人で職員室へ。
「「失礼しました」」
「あの、さっきは本当にごめんなさい」
「大丈夫だって。お互い怪我
なかったんだから」
普通に教室に戻り、授業をして
放課後、仕事へ。
数日後、入学式が行われた。
式は問題なく進み、後片付けをしてから
授業をして解散。
1年生は先に帰宅。
俺たちは示し合わせたわけじゃなく、
流れで3人合流をして校門まで歩く。
「流石に今日は騒ぎはなかったね」
「俺、舞と類ってきたら
もうわかるよね」
「うちのクラスも特に話はなかったよ」
先に帰っていた雪希、
どうも顔色が優れない
「なにかあった?」
「蓮、あのさ蓮の妹さんってなんて
名前?」
「名前?まりだけど」
「高坂茉里。
いたんだよね。うちのクラスに」
「え?!ほんと」
「間違い無いよ。先生がそう
呼んでた。知らなかったの?」
「うん、てっきりスミレ女子高に
いくかと思ってた。そっか、うちの後輩か。制服姿可愛いんだろうな」
「隠さなくなったね、蓮」
少し、呆れたが妹がいない俺は少し
羨ましく思った。
ずっと黙っている舞が気になって振り返ると舞は何かの動画を見ているよう
だった。
「舞」
俺が声を掛けるとハッとして
俺たちにスマホを見せた。
「動画サイトにあるSTEPの生放送を
見てるの。途中からだけど」
俺たちに見せた動画はもう終わり
そうだった。
「最後にお知らせがあります」
久しぶりに聴いた日向さんの声。
懐かしいなと思っていると
「俺たち、STEPは来年の3月に
解散します」
2年生の教室
また舞とはクラスが別になった。
(やっぱり一緒にさせないか)
「蒼葉くん、また同じだね。
よろしく」
「うん、よろしく」
机に座っていると、隣の席の女子に
話しかけられた。
(また、ってことは去年も一緒
だったんだよね。
関わりなさすぎて覚えてないな)
笑顔で答えると少し顔を赤くした。
新たな委員会を決めたり
席替えをしたり、俺にとっては
退屈な時間。
「蒼葉くんがいいと思います」
ぼんやりしていて急に名前を呼ばれて
黒板を見ると学級委員を決めていた。
「でも蒼葉くんは仕事が」
「でもだからって彼だけ除外はずるい
じゃないですか。特別扱いです」
やんわりと断わろうとした先生は
逆に丸め込まれていた。
「いいですよ、先生。
他のみんなが良ければ俺が学級委員
でも」
先生は少し躊躇ったが、学級委員会の
ところに俺の名前を書く。
その他にも掃除場所などを決めて、
1時間目が終わった。
「早速だけど、学級委員はこれ
職員室に運んでおいてくれる?」
「「わかりました」」
女子の学級委員、泉さんと
これ、と言われた春休みの宿題と
その他の提出物。
大小のノートやワーク、プリント。
泉さんにはプリント類と
2種類のワークを頼み、
俺は3種類のワークとノートを持ち
職員室へ。
(先生、春休みの健康記録くらいは
持っていってくれてもよかったのに。
紙の40枚。)
「泉さん、足元見えてる?」
「だ、大丈夫、」
(この先は階段、注意して見ておこう)
登りはいいものの、下りが1番怖い。
1番下まで降りて、一歩ずつ慎重に
降りる彼女に振り返る。
(見てるこっちがこわいな)
提出物を床に置いて、少し持とうと
隣に行くが
「え、」
泉さんが踏み外した瞬間小さな声が
聞こえた。
「泉さん!」
宙を舞うプリント。
短いけど、大きな音。
「だ、大丈夫?」
「ご、ごめん。ありがとう蒼葉くん」
右手で泉さんを支えて左手で
階段の手すりを掴む。
彼女は掴んでいた俺の腕を離して
散らばったプリントを拾う。
俺もプリントを拾い、拾った分は
自分の運ぶ分に重ねた。
「え、蒼葉くん。
そこまでしなくていいよ」
「気にしないで。俺は平気だから」
また提出物を持ち、2人で職員室へ。
「「失礼しました」」
「あの、さっきは本当にごめんなさい」
「大丈夫だって。お互い怪我
なかったんだから」
普通に教室に戻り、授業をして
放課後、仕事へ。
数日後、入学式が行われた。
式は問題なく進み、後片付けをしてから
授業をして解散。
1年生は先に帰宅。
俺たちは示し合わせたわけじゃなく、
流れで3人合流をして校門まで歩く。
「流石に今日は騒ぎはなかったね」
「俺、舞と類ってきたら
もうわかるよね」
「うちのクラスも特に話はなかったよ」
先に帰っていた雪希、
どうも顔色が優れない
「なにかあった?」
「蓮、あのさ蓮の妹さんってなんて
名前?」
「名前?まりだけど」
「高坂茉里。
いたんだよね。うちのクラスに」
「え?!ほんと」
「間違い無いよ。先生がそう
呼んでた。知らなかったの?」
「うん、てっきりスミレ女子高に
いくかと思ってた。そっか、うちの後輩か。制服姿可愛いんだろうな」
「隠さなくなったね、蓮」
少し、呆れたが妹がいない俺は少し
羨ましく思った。
ずっと黙っている舞が気になって振り返ると舞は何かの動画を見ているよう
だった。
「舞」
俺が声を掛けるとハッとして
俺たちにスマホを見せた。
「動画サイトにあるSTEPの生放送を
見てるの。途中からだけど」
俺たちに見せた動画はもう終わり
そうだった。
「最後にお知らせがあります」
久しぶりに聴いた日向さんの声。
懐かしいなと思っていると
「俺たち、STEPは来年の3月に
解散します」