虹色のバラが咲く場所は
246話 白紙
ー帰り道ー
「ねぇ、蓮」
さっきまで忘れてたけど、割と重要な
こと思い出した。
「なに?」
「高校、卒業したら大学
行くんでしょ?」
「そうだね、」
「推薦、とかさ」
「あー、」
言葉を濁して苦笑する蓮。
「ま、舞たちは心配しなくていいよ。
どうにかな、らないと思うけど
どうにかなるように頑張るから」
「言ってる事が支離滅裂なんだけど」
「うるさい、類」
謹慎1日目、
蓮が殴ったこと、そして私たち3人の自宅謹慎
の件は瞬く間にネットニュースで広まった。
そして、翔からの連絡。
「蓮くんが殴ったこと、そして3人が謹慎してることに
間違いはないね?」
「うん」
電話の声は重く低かった。
「理由もなく暴力なんてまずないと俺たちは
思ってる。でもそれとこれとは別。
Rainbow Rose。優斗の指名で予選は突破してたんだ。」
「え、そうなの!?」
「あ、まだ見てなかったのか。
まぁ、全員揃ってから見ようと考えてたのは容易に想像がつく。
STEP全員と他の参加者の人たちの意見、満場一致で」
一息ついて、告げられた一言
「Rainbow Roseの参加を白紙にすることが
決まった」
「っ、そっ、か。
そうだよね。覚悟してたし、
そうなると思ってた。」
悟られないように気をつけた。
「類くんには日向から、蓮くんには拓也から
連絡がある。」
「そうなんだ。分かった」
「これから次のグループに説明があるから
切るね」
「うん」
翔が電話を切ってツー、ツーという
無機質な音が響く。
「同じステージに、・・・
立ちたかった、な」
(もう、叶わないんだ)
涙が溜まる。
目を閉じたらこぼれ落ちそう。
堂々と胸を張って同じステージに
立って、肩を並べて色とりどりの
ペンライトと歓声を浴びていく。
歌って踊って、汗が光で反射して。
そんな夢見た光景はもう叶わないんだ。
翌朝、鼻炎と目の充血で風邪をひいた
みたいになったが2人とも何も
言わない。それが嬉しかった。
勉強をしてちょっとスマホゲームで
遊んで久しぶりにゆっくりできた
1週間。
そしてその間に類があの動画を拡散した
ため、学校に問い合わせの電話が
ひっきりなし。
友達、殺されかけたら誰だって殴る、
という擁護や
でも暴力は良くないという正論で
SNSは多くの人から注目を浴び
トレンドにも載った。
週明け、学校に行くと誰もあの話題に
触れず普通に接してくれた。
そして2日後、退院した雪希に
「ねぇ、なんで1週間、謹慎だって
黙ってたの?僕、知らなかったな~」
と笑顔で割とキツめに怒られた。
「挑戦状、次はどんな曲にする?」
「あ、雪希、そのこと、なんだけど
・・・」
「ーーーえ、だって舞。
あんなに意気込んでたじゃん」
縋る目を直視できず顔を背ける。
「・・・もう、決まったことなの」
息を吸い込むのか分かった。
類も蓮も何も言わずあたりは静まる。
(私が付き合わせたんだ。夢に。
挑戦状に出ようって言わなければ。
アイドルになろうと思わなければ。
そもそも憧れを抱かなければ。
虚しい気持ちを背負わせなかった)
「私が・・・ここに居なければ」
口に出てしまったらもう遅い。
(どうしよう、怖くて見れない)
「ごめん、気持ちの整理したいから
友達のところに泊まってくる」
返事なんて求めてない
お財布とスマホとキーケースを持って
飛び出した
「ねぇ、蓮」
さっきまで忘れてたけど、割と重要な
こと思い出した。
「なに?」
「高校、卒業したら大学
行くんでしょ?」
「そうだね、」
「推薦、とかさ」
「あー、」
言葉を濁して苦笑する蓮。
「ま、舞たちは心配しなくていいよ。
どうにかな、らないと思うけど
どうにかなるように頑張るから」
「言ってる事が支離滅裂なんだけど」
「うるさい、類」
謹慎1日目、
蓮が殴ったこと、そして私たち3人の自宅謹慎
の件は瞬く間にネットニュースで広まった。
そして、翔からの連絡。
「蓮くんが殴ったこと、そして3人が謹慎してることに
間違いはないね?」
「うん」
電話の声は重く低かった。
「理由もなく暴力なんてまずないと俺たちは
思ってる。でもそれとこれとは別。
Rainbow Rose。優斗の指名で予選は突破してたんだ。」
「え、そうなの!?」
「あ、まだ見てなかったのか。
まぁ、全員揃ってから見ようと考えてたのは容易に想像がつく。
STEP全員と他の参加者の人たちの意見、満場一致で」
一息ついて、告げられた一言
「Rainbow Roseの参加を白紙にすることが
決まった」
「っ、そっ、か。
そうだよね。覚悟してたし、
そうなると思ってた。」
悟られないように気をつけた。
「類くんには日向から、蓮くんには拓也から
連絡がある。」
「そうなんだ。分かった」
「これから次のグループに説明があるから
切るね」
「うん」
翔が電話を切ってツー、ツーという
無機質な音が響く。
「同じステージに、・・・
立ちたかった、な」
(もう、叶わないんだ)
涙が溜まる。
目を閉じたらこぼれ落ちそう。
堂々と胸を張って同じステージに
立って、肩を並べて色とりどりの
ペンライトと歓声を浴びていく。
歌って踊って、汗が光で反射して。
そんな夢見た光景はもう叶わないんだ。
翌朝、鼻炎と目の充血で風邪をひいた
みたいになったが2人とも何も
言わない。それが嬉しかった。
勉強をしてちょっとスマホゲームで
遊んで久しぶりにゆっくりできた
1週間。
そしてその間に類があの動画を拡散した
ため、学校に問い合わせの電話が
ひっきりなし。
友達、殺されかけたら誰だって殴る、
という擁護や
でも暴力は良くないという正論で
SNSは多くの人から注目を浴び
トレンドにも載った。
週明け、学校に行くと誰もあの話題に
触れず普通に接してくれた。
そして2日後、退院した雪希に
「ねぇ、なんで1週間、謹慎だって
黙ってたの?僕、知らなかったな~」
と笑顔で割とキツめに怒られた。
「挑戦状、次はどんな曲にする?」
「あ、雪希、そのこと、なんだけど
・・・」
「ーーーえ、だって舞。
あんなに意気込んでたじゃん」
縋る目を直視できず顔を背ける。
「・・・もう、決まったことなの」
息を吸い込むのか分かった。
類も蓮も何も言わずあたりは静まる。
(私が付き合わせたんだ。夢に。
挑戦状に出ようって言わなければ。
アイドルになろうと思わなければ。
そもそも憧れを抱かなければ。
虚しい気持ちを背負わせなかった)
「私が・・・ここに居なければ」
口に出てしまったらもう遅い。
(どうしよう、怖くて見れない)
「ごめん、気持ちの整理したいから
友達のところに泊まってくる」
返事なんて求めてない
お財布とスマホとキーケースを持って
飛び出した