虹色のバラが咲く場所は
30話 失言だった
俺は昔から器量が良かった。
物事を理解するのも、計算をすることも早かった。
テストはいつも満点、
成績表はいつも5。
クラスのみんなからは
天才って言われた。
でも嬉しくなかった。
ただの数字で内面を見ないでレッテルを貼られることは苦痛でしかなかった。
自分がおかしいって思ったのはあの時
だった。
「ねぇ、類くん。」
「なに?」
話しかけてきたのはクラスの女の子、
手にはさっきの授業のノートがあった。
「ちょっと教えて欲しいんだけど」
「いいよ、」
「これがこうなるからここにはこの言葉が
適切なんだ」
「なるほど、分かったよ、ありがとう」
女の子はそう言った、そして
「どうしてそんなに勉強ができるの?
やっぱり塾とか行ってるの?」
何も考えないで答えてしまった
「授業を聞いてたら普通にわかる」
と。
「私がおかしいって言いたいの?」
俯き震える声で言った、
(失言だった)
そう思った時にはもう遅かった。
「そんなつもりはないよ」
さらなる言葉が火に油を注ぐ結果になった。
「類くんは頭がいいよ、だからどこか人を
見下してる、完璧だから凡人の私たちを馬鹿にしてるんでしょ」
そう吐き捨て、教科書類を持ち席を離れた。
(完璧)
「完璧ほどつまらないものはないよ」
(俺はつまらない人間だ)
数日で俺は凡人を見下す奴とレッテルは
書き換えられた。
教科書を捨てられたり、暴言を言われるようないじめはなかった。でも教師の見ていないところで、無視されることが日常化された。
事実がなければいじめはないのと一緒だ。
どうせ言ったって勘違いだと言われるに
違いない。そんな小学生生活。
中学は誰も知り合いがいないところに入学した。ここならまた一から築くことができる。ここでは平均にやろう。テストも運動も何もかも、周りに合わせ平凡を演じよう。
でも虚しく入学後すぐバレることになる。
とある日の放課後、ほとんどの生徒が
帰っていて、教室には少人数しか
いなかった。
(今のところは上手くやれてる、大丈夫。
このまま、)
「類って小学生の頃、天才だったらしいよ?」
「天才?」
(なんで、知って)
教室のドアを開けようとすると聞こえてきた会話に硬直する。
「うん、僕の従兄弟が同じ学校でさ。」
「それで」
「成績はいつも5。運動もかなりできたみたい」
「え、でもそうはみえないけど」
「演じてるんじゃないの、凡人を。
俺たちは凡人だからな、
俺たちに合わせてくださってるじゃねーの」
笑い声が聞こえてくる。そっとその場を
離れみんな帰った後教室に入り、
荷物を持ち、帰路に着く。
その話はあっという間に広がり、
数日後俺は先生に呼び出された。
「とある生徒から聞いたんだけど君が
天才だっていう話、
小学生の時は成績が良かったんだろ?
なのに今は平均並み。
どうして手を抜いているんだ。やれば完璧なんだろう?」
(完璧、その言葉が俺は大嫌いだ)
完璧でも疎まれる。
平凡でも煙たがられる。
ー俺はどうすれば、正解なんだー
物事を理解するのも、計算をすることも早かった。
テストはいつも満点、
成績表はいつも5。
クラスのみんなからは
天才って言われた。
でも嬉しくなかった。
ただの数字で内面を見ないでレッテルを貼られることは苦痛でしかなかった。
自分がおかしいって思ったのはあの時
だった。
「ねぇ、類くん。」
「なに?」
話しかけてきたのはクラスの女の子、
手にはさっきの授業のノートがあった。
「ちょっと教えて欲しいんだけど」
「いいよ、」
「これがこうなるからここにはこの言葉が
適切なんだ」
「なるほど、分かったよ、ありがとう」
女の子はそう言った、そして
「どうしてそんなに勉強ができるの?
やっぱり塾とか行ってるの?」
何も考えないで答えてしまった
「授業を聞いてたら普通にわかる」
と。
「私がおかしいって言いたいの?」
俯き震える声で言った、
(失言だった)
そう思った時にはもう遅かった。
「そんなつもりはないよ」
さらなる言葉が火に油を注ぐ結果になった。
「類くんは頭がいいよ、だからどこか人を
見下してる、完璧だから凡人の私たちを馬鹿にしてるんでしょ」
そう吐き捨て、教科書類を持ち席を離れた。
(完璧)
「完璧ほどつまらないものはないよ」
(俺はつまらない人間だ)
数日で俺は凡人を見下す奴とレッテルは
書き換えられた。
教科書を捨てられたり、暴言を言われるようないじめはなかった。でも教師の見ていないところで、無視されることが日常化された。
事実がなければいじめはないのと一緒だ。
どうせ言ったって勘違いだと言われるに
違いない。そんな小学生生活。
中学は誰も知り合いがいないところに入学した。ここならまた一から築くことができる。ここでは平均にやろう。テストも運動も何もかも、周りに合わせ平凡を演じよう。
でも虚しく入学後すぐバレることになる。
とある日の放課後、ほとんどの生徒が
帰っていて、教室には少人数しか
いなかった。
(今のところは上手くやれてる、大丈夫。
このまま、)
「類って小学生の頃、天才だったらしいよ?」
「天才?」
(なんで、知って)
教室のドアを開けようとすると聞こえてきた会話に硬直する。
「うん、僕の従兄弟が同じ学校でさ。」
「それで」
「成績はいつも5。運動もかなりできたみたい」
「え、でもそうはみえないけど」
「演じてるんじゃないの、凡人を。
俺たちは凡人だからな、
俺たちに合わせてくださってるじゃねーの」
笑い声が聞こえてくる。そっとその場を
離れみんな帰った後教室に入り、
荷物を持ち、帰路に着く。
その話はあっという間に広がり、
数日後俺は先生に呼び出された。
「とある生徒から聞いたんだけど君が
天才だっていう話、
小学生の時は成績が良かったんだろ?
なのに今は平均並み。
どうして手を抜いているんだ。やれば完璧なんだろう?」
(完璧、その言葉が俺は大嫌いだ)
完璧でも疎まれる。
平凡でも煙たがられる。
ー俺はどうすれば、正解なんだー