虹色のバラが咲く場所は

66話 人気ですね

(入学してからずっと仏頂面で心配しましたが最近は明るくなった。これも彼らとの交流のおかげでしょうか。まぁ、蓮くんが登校して来た前日の昼休みに凄い勢いで彼の住所を聞いてきてなにをするかと思えば。)

説教が終わり5時間目6時間目と終わり
放課後、
「ねぇ、日比谷いる?」
うちのクラスに私に用があってきたのは
気怠げな顔した蓮だった。

「あ、はい。日比谷さん。先輩」
緊張したのか聞かれたクラスメイトはすぐさま私を呼ぶ。
カバンを持ち、紗南に手を振って廊下へ。

「なんのよう、ですか。先輩」
危うく敬語を忘れるところだった。
「一緒に行こうと思って」
「猫被り」
「何か言った?」
ボソッと呟いたが聞こえたらしい
「いいえ、なにも」
私と蓮で昇降口へ向かう。

至る所から、どういう関係だ、だの付き合ってるのかと聞こえてくる。
「人気ですね、先輩」
「人気になりたくて文武両道を目指した
 訳じゃないんだけどな」
蓮は周りに気づかれないように呟いた。

(ポーカーフェイスというのか蓮って学校だとあんまり表情崩さないな)
「なんだよ、ジーッと見て」
蓮は睨むが頬が赤くなっていた。
「べっつに~」

ーレッスン場ー
「蓮、今日から復帰?」
「俺たちについて来れる?」
着くなり類に煽られる。
「やってやる」
「その意気だよ、蓮」
すぐに杏奈さんたちが入ってきてレッスン
開始。やっぱり蓮は少し遅れている。

私も人の事言えないけど。
それでも、久しぶりの感覚だ。
記憶をなくしてても体は覚えている。
楽しいという感情が溢れる。
練習が終わり
「あの、みんなこれ知ってる?」
私は先生に見せてもらったサイトをみんなに見せる。

「どこから情報が漏れたんだろう」
類の呟きにみんなして唸っていると
杏奈さんたちが横から覗き込む。
「今度のライブの時に謝罪かな、」
杏奈さんの呟きに
「あの、私たちのライブって回数が少ないですよね。他のアイドルはもっと活動していると思います。どうしてですか?」

今度は杏子さんが
「2度目のライブからね、どんどん回数を を増やして行こうと考えてたんだ。実際に
Rainbow Roseの出演を希望するところも結構あったの。でも事故があってRainbow Roseの出演のキャンセル希望が相次ぐようになって今のところは・・・未定」
わからない訳じゃない。
あんな事故になったんだ。
問題の起こったグループを受け入れたくないと思うのが普通だと思う

「そうなんですね」
「僕たち、どうなっちゃうのかな」
「依頼を待っているだけじゃダメだ。
どこかでできないかな。
じゃないと、謝罪もできない」
類の言いたいこともわかる。でも
ネットニュースで業界中に知られてる。

「私たちもどこが受け入れ先がないか
探ってみる」
杏子さんがそう言ってくれたが
「杏奈さんたちばかり頼ることはできません。俺たちもアテがないか探してみます。」
類の言葉に私たちも頷き解散となった。
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